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青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【黒魔女さん】桃花ちゃんの名シーンを振り返る【お誕生日おめでとう】

桃花ちゃんお誕生日おめでとう

昨日4月30日は、ベルティンのサバトの日、つまり桃花ちゃんのお誕生日でした!

それに合わせて何か記事を書こうと考えていたのですが、結局いいものが思いつかず、パソコンの前で悩んでいたら1日が終わってしまいました……。桃花ちゃんごめんね……。

そして散々悩んだ挙句、初登場から最新刊までで印象に残っているシーンをいくつか挙げて語ってみることにしました! 彼女は登場回数が非常に多く、重要度も高いのでなかなか選ぶのが大変だったのですが、以下の場面が特にお気に入りです〜。

 

 

桃花ちゃんベストシーン5選

校長室襲撃シーン(『魔女学校物語』1巻 第1話)

「わたしは黒魔法で、火の国の十七歳の少女を、全部調べたのさ。すると、おまえが、バカがつくほどのまじめな子だとわかった。魔力は人なみでも、そのぶん、きっと人一倍努力をする子だろうと思った。だから、入学許可書を送ったんだよ。」『魔女学校物語』1巻p71

お嬢様揃いの王立魔女学校で一人、地方の農家出身&黒魔法にもなじみが薄い桃花ちゃん。劣等感を感じて自信を失っていた彼女に、ルームメイトのマカズキンとティアーが魔力増強ワインの一気飲みを提案します。最初は校則を破ることに抵抗を感じていた桃花ですが、だんだん酔っ払っい、ついには校長室に突撃してしまいます。

「なぜ貴族でもなければ魔力も少ない自分を入学させたのか」と尋ねる桃花に、メリュジーヌは真面目さを買ったのだと答えます。確かに魔力は人並みだけれど、人一倍努力する子だろうと思ったと。そして、「魔力が強ければ、素質があるってわけでもないし、いい黒魔女になれるわけでもない」「大切なのは、自分を知ること。そして、それに見あった努力ができること」と語ります。

このシーン、読んでいて励まされるという点でも素敵なのですが、メリュジーヌの桃花観があきらかになるのも嬉しいです。彼女が最も評価しているのはその真面目さ、正直さ。チョコや大形のような潜在魔力の強さや、ギュービッドのような地頭の良さに比べ、一見目立たない美点ですが、そういうものもきちんと評価するところに教育者としての実力を感じます。

その後も桃花ちゃんを生活監督官に選んだり、彼女が大形のインストラクターに任命された会議に同席したりしているので、メリュジーヌの桃花への信頼度はかなり高いと思われます。これらのシーンで先生がどのように桃花を推したのかも見てみたいです!

 

ミルフィーユを守るシーン(『魔女学校物語』1巻 第2話)

「わかりました! 受けて立ちます!」『魔女学校物語』1巻p200

本編では妹キャラとして描かれることが多い桃花ちゃんの、先輩としての一面を見ることができるシーンです!

魔女学校二年生になったある日、後輩のミルフィーユが私立ブラックウィッチ学園の生徒に黒死呪文勝負をふっかけるのを目撃した桃花。とっさに止めに入り、かわりに自分が勝負を受けて立つと宣言します。

このシーンの桃花、ミルフィーユの視点から見ると頼れる先輩感がすごいです。校長の孫だということを鼻にかけて、上級生に反抗的な態度ばかりとっていたミルフィーユ。なかでも生活監督官の桃花にはトップクラスに迷惑をかけていました。それなのに、自分が招いたピンチに駆けつけ、危ない目に遭わせないために先に帰らせてくれる……。そりゃ心も入れ替えちゃうよね。魔女学校に戻る時、彼女が最後まで桃花を見つめてるの、ワルになりきれない感じが出ちゃってて好きです。数ヶ月後のエオスターラのサバトでは逆にミルフィーユが桃花を助けるのも成長を感じていい。

ちなみに桃花が後輩たちと一緒に逃げずに勝負を受けてしまった理由は、尊敬するメリュジーヌの悪口を言われたから。こういうところ、実はアツいよなあと思います。

 

紫吹モモ姿&悪役姿(無印5巻1話)

「あたしは、一番で修行を終えて、黒魔女の女王になる。そして、魔界を支配するのよ。」『黒魔女さんが通る』 5巻 p68

無印5巻で人間界へやってきた桃花ちゃん。最初はメグのいとこのモモちゃんとして登場しました。

チョコのファッション知識のなさに「わっ、最低〜」と引いたり、ラブandベリーで遊びながら初対面の年上をパシる桃花ちゃん、なぜかクソガキっぷりがすごく板についています。

反対に、大形を騙すために「出世のために幼い子供たちを生贄として捧げる」という演技をする姿は若干無理してる感があって可愛いです。上級生にタメ口で話し、「黒魔女の女王になって魔界を支配する」という計画を披露する桃花。学生時代とギャップがありすぎてギュービッドには一発で嘘を見抜かれそうだし、馬鹿正直な性質ゆえか、チョコたちを挑発するような発言をしていてもイマイチ迫力がありません。この演技に騙された大形の、魔界の王への道のりはかなり遠いと言わざるをえないでしょう。

 

チョコにお弁当を作ろうとして断念するシーン(無印5巻2話)

『ハンバーグとか、ポテトとか、そんなグロいものは、やっぱり作れません。ごはんは炊いたので、五百円で何かおかずを買ってください 桃花・ブロッサム』『黒魔女さんが通る』 5巻 p102

このシーンの桃花ちゃんは気のきく有能な後輩の面と、魔界人特有の傍若無人な面が両方感じられていいです!

5-1とハイキングに行くことになったチョコ。当日繰り広げられるであろうお弁当マウント合戦を想像してウンザリしていると、桃花ちゃんが「だれにもばかにさせない、とびっきりのお弁当」を作ってみせると息巻きます。

聞けば、学生時代の家庭科の成績は学年トップだったとか。彼女の学年には「火の国料理コンテスト・ジュニア部門」で優勝経験のあるビルトもいたはずですが、持ち前の真面目さで追い抜いたのでしょうか。チョコの好物がハンバーグやフライドポテトだと聞いてドン引きしながらも、お料理本を見て作ってみると宣言する姿が素直で好感が持てます。カロリーの心配をしてチョコのお腹を触るのも、距離の詰め方が上手で可愛い。

でも結局、お弁当箱に詰められていたのは白いご飯と500円玉+冒頭の手紙でした。人間界の食材は魔界出身の桃花にはグロすぎたようです。約束をドタキャンしたのに罪悪感を感じてなさそうな感じ、好きです。桃花ちゃんは基本的にいい子ですが、ときどき天然で毒舌だったり失礼な所があるのが面白いです。

 

インストラクターとして奮闘するシーン(6−1編4巻)

「あなたは責任感が強すぎます。ちゃんとおしえようという気持ちが強すぎると、弟子の心が見えなくなります。」(6−1編4巻p16)

12巻で大形のインストラクターに任命された桃花。慣れない仕事に奮闘しますが、巡回魔法使いのアグリッパに上記の指摘をされてしまいます。

しっかり者で、学生時代は生活監督官としてミルフィーユを更生させたこともある桃花ちゃん。しかし初めての弟子が危険な魔力と邪悪な野望を持つ大形なのはさすがに荷が重すぎます。無印18巻などでも修行シーンが描かれていますが、どうも頭ごなしに叱りつけてばかりで、学生時代のような頼れる感じはまだ出せていないように見えます。

しかしアグリッパの言う通り、それも真面目で責任感の強い性格ゆえ。桃花ちゃんは魔女学校3年生だったところを、王直々に大形の監視係やインストラクターとしてスカウトされたわけですから、見込みは相当あるはず。周りももっとフォローしてあげてほしいです〜。

次巻は大形中心のストーリーになりそうですが、桃花ちゃんの師匠っぷりも見れたら嬉しいなと、ちょっと期待してます!

 

 

終わりに

無印4巻のあとがきで登場し、無印5巻1話で大形の監視係として人間界にやってきた桃花ちゃん。彼女が本格的に物語に関わりだしたのは、日常編では麻倉&東海寺などの重要キャラが大体出揃い、魔界編でも大形の正体ばれイベントが終わったあと。つまり結構ストーリーが進んでからでした。そうにもかかわらず、初登場時からチョコ&ギュービッドと並んでも全く違和感がなく、今や作品に欠かすことのできない存在になっています。間違いなく読者キャラの中で最も出世したキャラクターだと思います。外伝もあと1巻は出そうですし、今後の活躍にも期待です!

 

 

桃花ちゃんが主人公の『魔女学校物語』シリーズの感想はこちら

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krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 

 

 

【黒魔女さん】表紙を語りたい【藤田香・亜沙美】

忘れてはいけない挿絵の魅力

こんにちは。黒魔女ファンの皆さんお元気でしょうか。

突然ですが、『黒魔女さん』の絵っていいですよね。 私は無印一巻の表紙のメグに惹かれて黒魔女さんを読みはじめましたし、無印3巻P99の暗御留燃阿には一発でノックダウンされました。無印6巻P67のギュービッド様の絵は構図からしてかっこよすぎるし、チョコのゴスロリは小学生の頃めっちゃ憧れました。6年生編9巻のnewゴスロリも可愛いだけではなく高級感があります。

このブログは主に作品の内容について書いてきたのですが、やはり黒魔女さんを語るにあたって藤田香先生・亜沙美先生の絵の魅力は外せないなと思います。

なので今回は表紙の魅力を語っていきたいと思います。15年の歴史を共に感じましょう!

 

 

 

表紙を語る

無印(藤田香先生) 

1巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:記念すべき第1巻の表紙。薄暗い校舎といい、完全に悪役顔のギュービッド様といい、ちょっと学校の怪談的な雰囲気があります。そして同じ5年生編でも12巻以降と比べると登場人物が圧倒的に大人っぽいです。口絵のメグとか高校生ぐらいに見える。かわいらしい絵ではありますが柔らかい感じではなく、黒魔女さんのダークな雰囲気にどハマりしています。むしろこの絵が作品の雰囲気を作っていたところもあったと思う。あらためて挿絵の力の凄さ、藤田先生の凄さを感じます。

2巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:第二話のモップを使った飛行シーンが元ネタと思われる。チョコが風に煽られるリボンを押さえているところに疾走感を感じられて好きです。ギュービッドが手を広げてバランスをとっているのも「またがる棒を用意し忘れて落下する」という恒例のネタが生かされていて好き。黒革コートのばさっとした感じもかっこいいです。

3巻

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背表紙:大形京

ひとこと:一話のビデオネタ、二話のテレビネタ、三話の大形ネタと、収録されている全てのお話の要素が入っている超バランスがいい表紙。きらびやかなアーチの向こうが闇空間なのとかめっちゃ黒魔女さんですよね。チョコの驚いたような表情もいい。この巻の内容衝撃的すぎて読者もみんなこういう顔になったと思います。

あとサブタイトルの「ライバルあらわる!?」も好き。チョコのライバル大形はもちろん、ギュービッドのライバル暗御留燃阿の登場も指しているであろうダブルミーニングです。

4巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:初の魔界巻。作中ではチョコがシンデレラになりましたが、表紙ではメグが変身。奥の方にラストシーンの舞台となった火の国のお城が描かれています。お城が建っている崖の形が悪魔の横顔のようでちょっと不気味。チョコとギュービッドは木の幹に腰掛けてますが、ギュービッドのコートの紐が木の枝に引っかかっている感じが好みです。

5巻

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背表紙:桃花ブロッサム

ひとこと:プールと青い空がさわやかな雰囲気。チョコの躍動感がすごい。ギュービッド様が浮き輪を使っているのは泳げないからでしょうか。オレンジのこうもり柄が夏らしくて可愛いです。唱えようとしているのは時間停止魔法?

6巻

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背表紙:グミ

ひとこと:第三話に出てきた組体操ネタがモチーフ。麻倉と東海寺がいるピラミッドとか即崩れそう。大形くん目めっちゃ死んでるけど超カメラ目線です。奥に描かれているメグが着ているのは作中でも身につけていたおしゃれジャージ。その下で号泣してる百合ちゃんとショウくんには何があったのでしょうか。

7巻

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背表紙:ジャックorオウorランタン

ひとこと:諸事情によりnewゴスロリのチョコ。ヘッドドレスとタータンチェックのがらが新鮮です。地味に桃花ちゃんが初めて表紙に登場した巻でもあります。船のさきに座る桃花ちゃん、おてんばそうな感じが可愛いです。橋の石造な感じとか、サバトの花火とか、魔界の雰囲気が伝わってきます。ギュービッド様がカンテラ魔法使っているのも芸がこまかいです。

8巻

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背表紙:黒鳥千香子

ひとこと:王立魔女学校の制服初お披露目。赤&黒のデザインがチョコのゴスロリっぽくて可愛いです。この表紙に関して、昔公式ホームページに「描かれているのはギュービッド&チョコですか? ギューバッド&ティカですか?」という質問が送られていたのですが、石崎先生の返答は「みんなの想像に任せる」的なものだった気がします。

9巻

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背表紙:羅門ルル

ひとこと:第二話の図書館ネタ。躍動感すごいです。前のめりになっているせいでチョコさんの腰のあたりにしわがよっているところとか、襟がだらんと垂れ下がっているところとか、改めて藤田先生の絵のうまさを感じます。手前の本も画面の外に飛び出しそうな迫力がありますよね。ギュービッド様の慌てているような表情もいいです。

10巻

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背表紙:スノー魔

ひとこと:マーリンの森が舞台。クリスマス巻だからか、あ、くまの家の前にクリスマスツリーが植えられているの特別感があっていいです。桃花ちゃんがギュービッドより手前に描かれるのはレア。この桃花ちゃん、こころなしかいつもより幼い気がします。「おかしな詰めあわせ」が入っている箱のチェック柄も可愛いです。

11巻

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背表紙:森川瑞姫

ひとこと:第一話のケーキ合戦の様子が表紙になっています。このお話は5-1メンバーが全員登場するので、表紙にご出演の人数も多いです。大活躍だった桜田杏ちゃんはもちろん、お菓子大好きな向井里鳴ちゃんが描かれているのはナイスな人選。里鳴ちゃん、ケーキをつまみ食いしてて可愛いです。

12巻

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背表紙:二イカ

ひとこと:二イカちゃんが初登場にしてはやくも表紙と背表紙にご出演。鬼ぎり、おバァさんなど、本編で登場したモチーフも描かれています。王立魔女学校を上から見た図はレア。屋根の赤と黒のくみあわせが黒魔女さんらしいですね。画面右上から左斜め下に向かって飛んでる隕石みたいなものはなんだろう。この辺から本格的にかわいらしい感じの絵柄になっていきます。

13巻

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背表紙:東海寺&麻倉

ひとこと:バレンタイン巻。表紙の縁取りがピンク色になっているピンク鳥文庫です。描かれているのはこれまたピンク色のクリームの中をお菓子に乗って飛んでいるキャラクターたち。バレンタインのワクワク&キュンキュンした雰囲気が前面に出ています。

森川以外の同級生組がカラーで描かれるのはこれが初。暗御留燃阿(推し)だけいませんが、前巻まで悪役だったのに急にお菓子の上で満面の笑みを浮かべてたら面白すぎるのでまあ妥当かと。彼女がカラーになるのはこの巻発売から10年後、6-1編12巻になってからです。

14巻

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背表紙:藤原遊馬

ひとこと:第一話の世麗舞塾が舞台の表紙。背景に舞っている桃花テストとギュービッドテストがかわいいです。桃花テストがすべて100点なのに対してギュービッドテストは35点とか10点とかがたくさんあるの、キャラの個性が出てて好きです。東海寺が風呂敷で教材包んでいるのなぜか納得すぎます。

15巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:ピンク×萌黄色の春らしく和風なデザイン。屏風にコウモリマークが描かれているところに黒魔女さんらしさを感じます。舞百合メグに取り合いされていてもキリッとイケメン顔のショウくんがちょっと面白いです。チョコのゴスロリは正座をするとスカート部分がトマトのヘタみたいになって可愛いですね。パニエふわっふわですごい。

16巻

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背表紙:大形京

ひとこと:黒い鳥文庫。四隅の鳥たちなどはピンクになっており、魔界のダークな感じとホワイトデーのラブリーな感じが両方でています。白馬の王子様ならぬ黒馬の王子様の大形くんはめちゃめちゃかっこいいですがこのシーンは作中にはありません。魔界舞台巻は背景にコウモリの群れが飛びがち。背表紙でバラに囲まれてる大形くんちょっと面白いです。

17巻

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背表紙:伊集院麗華

ひとこと:第一話に出てきたあやとり魔法がモチーフに。ギュービッド様が作ったあやとりのはしごにチョコが腰掛けている凝ったデザインです。紅白幕が表紙をぐるっと一周しているのもダイナミック。舞ちゃんブレザーすごい似合っていて、はやくも頼れる生徒会長感にあふれています。速水くんは初表紙。卒業式巻だからか、桜がたくさん描かれています。

18巻

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背表紙:霧月姫香

ひとこと:第一話・二話の音楽室の地縛霊ネタ。チョコとギュービッドの丸くてキラキラした瞳といい、透き通るような淡い色合いといい、すごく後期っぽい表紙だなと思います。学校の怪談ものっぽいところはちょっと無印一巻らしさもあります。

19巻

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背表紙:ミルフィーユ

ひとこと:コウモリ柄の3Deathがかわいいです。19巻が出たのが5年前ですが、もしかしたら今の子達はDSの存在を知らないかもしれないですね。カバー折り返しの鬼のコスプレしてるメグも大人っぽくて可愛い。メグのこのコーナー復活しないかな。

20巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:クラス替えを止める話。なので表紙にも5-1メンバーが大量に登場します。エコ帳をニコニコしながら読む古島真紅くん、骨董品をかたてに持つ土釜はやてくんなど、それぞれらしい表情がこれまでの積み重ねを感じさせます。エロエースがルルちゃんのうちわを持っているの泣けますね。そしてこうしてみると七福亭くんと麗華ちゃんがお似合いに思えてくるから不思議です。

0巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:黒い鳥文庫。黒地に赤が黒魔女さんらしい。そして不敵な笑みを浮かべるギュービッド様超かっけえ。サブタイトルの「そこにきみがいなかったころ」もめっちゃ好きです。やっぱり黒魔女さんはチョコとギュービッドの物語だなと感じさせます。魔界砂時計は作中にも登場したアイテムですが、0巻はプロローグ的なお話なので時間を巻き戻してる感もあって素敵です。


6年生編(藤田香先生・亜沙美先生)

1巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:6年生編に入り、タイトル文字のデザインが変わります。黒地に赤の縁取りから赤字に黒の縁取りに変化し、文字の中もグラデーションになって明るい雰囲気に。絵も色使いが明るくなり柔らかい感じに。

下の方に描かれている黒猫の正体は麻倉&東海寺ですが、猫になっても彼ららしさが残った表情なのがさすがです。ギュービッド様の猫耳コートと、背景で踊っている猫たちが可愛いです。

2巻

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背表紙:大形京

ひとこと:家庭訪問巻だからか、松岡先生が初めて表紙に登場。表情にお調子者感出てて好き。ちび6−1と、絵本みたいなタッチの建物が可愛いです。チョコさん脚超長くてうらやましい。大形はそんなに大きく描かれるほど活躍してないと思います。

3巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:このチョコの呆れと照れが入り混じった表情がすごく初期らしいです。麻倉くんはバラが似合いますね。背景のピンクコウモリも可愛い。後半の表紙の中でもかなり好きな方に入ります。体調悪かったはずなのにこんな素敵な表紙、本当に藤田先生って凄いしありがたい。

4巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:七夕巻なので浴衣すがたのチョコさんです。涼しげでいい。コウモリの帯留と柄が可愛いです。チョコたちが乗っているのは魔界グッズのコードレスしょうじ機。持ち手の方に座っている大形くんの羽織ものが星柄で彦星っぽいです。そしてこの桃花ちゃんめっちゃスタイルよい。

5巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:6年生編の魔界編は表紙でコウモリが舞わなくなりました。

白雪姫のパロディ。ゴスロリをアレンジしたドレス、きちんと白雪姫感があって凄いです。小人になった男子たち、それぞれの個性がでていて好きです。与那国くんのタブレットにハートマーク描いてあるのかわいい。そして東海寺その表情はなんだ。

全体的にキラキラした表紙ですが、お話の中身はまあまあのダークさでしたね。この巻以降背表紙はずっとチョコさんです。

6巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:藤田先生による最後の表紙(原案)。麻倉と東海寺が作っている砂山にカエルマークの旗が立っているのを見るとやっぱり悲しい気持ちになってしまいます。

チョコの水着のゴスロリアレンジが自然で可愛い。ちょっと王立魔女学校の制服っぽいし、裁縫が得意なギュービッドが作ってくれたのかなとか色々想像できます。こうやって素敵な絵で毎巻ワクワクさせてくれていたことに対して感謝の気持ちをずっと持っていたいです。

7巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:初の亜沙美先生による表紙。『黒魔女さんの修学旅行』では男子たちがちび化していましたが、こちらでは女子たちがちび赤ずきんに。結実ちゃんが狼を抱っこしているの動物女王らしくていいですね。姫香さんは赤ずきんコスがなじみすぎていてさすがメルヘン女王だなと思います。第二話が和風タッチのお話だったからか日本の妖怪も描かれています。

8巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:チョコの表情がメグっぽく、メグの表情がチョコっぽいです。第二話がロリポップ・ココアの短編だったので彼女たちも大きくかかれています。双子のポップな感じが文化祭の楽しい雰囲気ともマッチしていてかわいいです。

9巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:新しいゴスロリのチョコさん。袖が薔薇みたいに広がっていて綺麗です。腰に紐が付いててコルセットみたいになっているのもツボです。メグがシスター、エロエースがエロガッパ、横綱がミイラの格好をしているのは作品の通り。作中の挿絵には横綱のコスプレ姿はなかったのでちょっと嬉しいです。欲を言えば閻魔あいコスの舞ちゃんみたいです!

10巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:名画「モナリザ」のパロディ。アルカイックスマイルのチョコさん美人です。目のちょっとカクッとした感じがすごい初期っぽいと思います。やっぱり黒魔女さんキャラは美人系の方が好き。

速水くんの絵はデューラーの「荒野の聖ヒエロニムス」、メグはルノワールの「パリジェンヌ」、麻倉&東海寺はラファエロの「システィーナの聖母」の一部分が元ネタです。

 11巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:大形くんがいつにもましてイケメンな表紙。作中では白の詰襟をお召しですが、表紙では黒でちょっとダークな雰囲気です。6巻の第1話で着ていたものでしょうか。左側にいるのはシンデレラ&王子様のコスプレをした大谷くん&エロエース。大谷くんがお団子ヘアになっているの可愛いです。ギュービッド様は表情もポーズも前巻と似ていますね。

12巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:リモート授業ネタを扱った最新刊。表紙のレイアウトもzoomっぽいです。横綱のうしろにお蕎麦屋さんのメニューのようなものが描かれていたり、灯子ちゃんが弟妹に呼びかけている風だったり、それぞれのお家の雰囲気が知れて嬉しいです。

そして暗御留燃阿は初登場から14年目にしてついにカラーに! このポーズと悪役っぽいドヤ顔、めっちゃ暗御留燃阿らしいですね~。スーツのシワもいい感じ。彼女が表紙に登場するということは、大形問題への本格参加を期待してもいいんでしょうか!? 

13巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:大形問題解決巻として、大形&チョコのラブラブな表紙になるかと思っていたので、男子陣が小さめなのが意外でした。

その代わりに描かれたのは、親指を立て、不敵な笑みを浮かべるチョコらしき人物。6年生10巻以来伏線が張られてきた、黒曜石の黒魔女関連の回収もあるのかもしれないですね!

個人的には、ラブ要素全開ではなくダークでシリアスな感じの表紙なのはうれしかったです。
亜沙美先生ありがとうございます!

14巻

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 背表紙:チョコ

ひとこと:チョコの手のひらと袖のフリルの影がリアルで好き。ギュービッドがマイクを持っているのは、作中に登場した中学校の説明回の司会をイメージしているのでしょうか。収録されていたお話の内容を考えると、キャラクターの人選はこれでよかったのか? という気もしますが……。

 

黒魔女の騎士ギューバッド(藤田香先生)

1巻

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背表紙:王立魔女学校の校章

ひとこと:黒い鳥文庫。霧に包まれた真っ暗な画面や騎士団の仮面姿が怪しげな雰囲気を醸し出しています。学生時代のメリュジーヌ、サラサラの金髪とすらっとしたスタイルの絵に描いたような美少女ですね。ギューバッドとの手のつなぎ方が乙女っぽくて素敵です。二人の背後のハルバートはかなりリアルなタッチで描かれており、それが一層画面に迫力を与えている気がします。

2巻

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背表紙:王立魔女学校の校章(青)

ひとこと:マリス&エルスとギューバッドたち。双子たちの目の色が同じなところ、きょうだいっぽさがあっていいですね。背景はカンタレラの森で、画面右下にいるのは森の奥深くに住む雪白カエル。表情豊かで藤田先生のカエル愛を感じます。上の方に描かれているギューバッドめっちゃまつ毛長くてうらやましいです。

3巻

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背表紙:王立魔女学校の校章(紫)

ひとこと:サンタフスタ騎士団のゴンサロとフレデラー、サポス族の長のゴドフリと流浪の旅人ビアヘロが登場。サンタフスタ騎士団の二人の表情、気迫が感じられて素晴らしいです。背景にはタロット・ディモニオも舞っています。ギューバッドは黒騎士姿が似合いますね。ふわっと広がったマントと膝の関節の感じが好みです。涼しい顔のビアヘロもかっこいい。

 

魔女学校物語(藤田香先生)

1巻

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背表紙:桃花ブロッサム

ひとこと:本外伝の主人公、桃花ちゃんが一人で表紙を飾っています。読者キャラ出身でよくここまで出世したな。彼女のファンは感涙だったのではないでしょうか。表紙をぐるっと囲む王立魔女学校の門のアーチが重々しくてかっこいいです。でもこれ、桃花ちゃん校門から締め出されるようにも見える……

2巻

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背表紙:ティアー

ひとこと:フォカロルの三人がご出演。ティアーの柔らかいブラウンの髪が可愛いです。マカズキンが広げているのは教科書でしょうか、はたまた創作用の資料でしょうか。桃花ちゃんは外伝になると毛量が増えますね。カバー折り返しの三角巾&エプロン姿も調理実習感あって可愛い。

3巻

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背表紙:マカズキン

ひとこと:フォカロルに続いてアモンのビルトたちも登場。マカズキンが荷物をスポーツバッグに入れてるのすごい彼女らしさを感じます。生徒たちを見守る初代校長レ・トロワ・フレール像がかっこいいです。

 

キャラブック(藤田香先生)

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背表紙:チョコ

ひとこと:無印7巻のゴスロリのデザインを利用した表紙。4隅の逆十字がかっこいいです。裏表紙の王立魔女学校校章に書いてある「Real Academia de Bruja Negra」は「王立魔女学校」の意味。黒魔女さんオタなら想像がつくかと思いますが、もちろんスペイン語です。

 

 

終わりに

振り返ってみると、やっぱり藤田先生・亜沙美先生の絵は最高だなという結論に落ち着きました。さりげなくコウモリが描かれていたりとか、本当に細かいところまで愛情こめて描いてくださっているんだなと思います。

また、『黒魔女さん』はお話の雰囲気が無印3学期編からガラッと変わるのですが、それに合わせて表紙の絵柄も変化しているの、プロの技術を感じました。最近は内容的にダークさが復活してきて、絵の方も初期っぽくなっていると思います。

ここ最近は過去記事のリライトばかりしていましたが、新しい記事を書くとやはり発見が多いです。新刊発売までにリライトと並行していくつか新記事も出せたらと思っています。

【6-1黒魔女さん10巻】感想&大形京関連考察

 *この記事はこれ↓の続きではなく、最新刊『恋に落ちた黒魔女さん?』を読んで再び考察し直したものです。

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あらすじ

第1話

魔界からいい人になって戻ってきた大形くんと一緒に登校し、なぜかドキドキするチョコ。水辺の公園に写生大会に出かけたとき、魔界グッズ「魔法鏡メガネ」をかけていたチョコは、人魚のような姿の女性を発見します。

翌日、合唱コンクールの指揮者に選ばれてしまったチョコ。最初はまとまりがなかった6−1ですが、次第に練習にも真面目に取り組むようになり、歌も見違えるほど上手くなります。ところが、合唱コンクール当日、思いもよらぬ出来事が……

 

第2話

一級黒魔女になるために「魔法石」について学ぶチョコ。魔法石とは、魔力が秘められた石のこと。太陽の石や月の石など7種類あり、黒魔女にはそれぞれ生まれた星座ごとに魔界誕生石があります。チョコの魔界誕生石は土星の石。人間界での名は「黒い黒曜石」で、まわりに不幸をもたらすという特徴があります。

魔法石に秘められた魔力は強大ですが、石単体では効果を発揮しません。その魔力をひきだすには、『魔王の王冠』という別の石が必要です。ところが、『魔王の王冠』は魔界に一つしかない上に、何百年もまえにぬすまれたきりです。

学校行事の美術館見学の最中、魔界の住人に『魔王の王冠』の持ち主だと思われて絡まれるチョコ。しかも大形に「黒鳥さん自身が黒曜石なんだ。生まれつき土星の魔法石の魔力を秘めているんだよ」と衝撃的なことを告げられます。さらに、なぜか大形が『魔王の王冠』を持っていて……。

 

 

大形京関連の考察

大形京太郎の正体&大形の行動の目的

考察1:大形たちの行動の目的は、魔界の弱体化である

考察2:京太郎は、誰かから反魔界の意思を引き継いだ人物である

前巻まで大形くんは亡き祖父・京太郎のもとにいました。なので今巻の彼の行動は、祖父の影響を受けたものだと考えられます。

なぜか『魔王の王冠』を持っていた大形くん。『魔王の王冠』があれば、魔法石の強力な魔力を意のままに扱うことができます。今巻ラスト、大形くんはチョコをつれてどこかに行こうとしていました。このことから、大形(たち)はチョコの力が何かしらの理由で必要なのではないかと考えました。

ではそのチョコの力とは何か。大形の「黒鳥さん自身が黒曜石なんだ。生まれつき土星の魔法石の魔力を秘めているんだよ」というセリフからすると、それは「まわりに不幸をもたらす」力です。

前述したように、魔法石の力はとても強力です。現にギュービッドはこのように言っています。

「魔法石に秘められた魔力は強大なんだ。正しい使いかたを知ってさえいれば、おまえみたいな低級黒魔女でも、7段黒魔女を呪えるほどさ。それどころか、魔法石の組み合わせ次第では、半径十キロメートル以内の黒魔女全員に呪いをかけることもできるんだぜ」『6年1組黒魔女さんが通る⑩』p103

ただでさえ不幸の発生源だと言われているチョコ。「魔王の王冠」で黒曜石の力を十分に引き出すことができたら、その呪いは”半径十キロメートル以内”にとどまらないでしょう。実際、この発言を受けてチョコは「『魔王の王冠』があれば、魔法石のすごい魔力を使い放題なんでしょ。それこそ、魔界を支配することだってできそうだし」と意味深な発言をしています。

彼らが欲しているのは、黒魔女を呪い、不幸にする力とも言えそうです。言い換えれば魔界に何らかの大ダメージを与えることができる力。

そしてそのような力を欲している京太郎は、おそらく反魔界的な意思を持っている人物だと思います。今巻のギュービッドの発言のとおり、黒魔女というのは基本的に人を苦しめ呪うことをよしとします。また、大形のように、無理やり黒魔女にされ、使い捨てられる人間の子供もいます。それに反発する勢力が魔界の内部に一定数いてもおかしくないと思います。

ただし、彼自身は魔界出身ではないと考えられます。なぜなら、『黒魔女さんの夏休み』にて「魔界とやら」と言っているからです。彼が魔界の人物なら、この表現は不自然です。だから、最初に反魔界活動をしていた人物の関係者ではあるものの、彼自身は魔界との関わりは薄いのではないかと推測しました。

最初の反魔界活動はもっとずっと前に始まったのかもしれません。数百年前『魔王の王冠』を盗んだのも彼らで、魔法石の力を使った作戦も当時からあったのだろうと思います。しかし、彼らは少数派でしょうから、次第に魔界では活動しづらくなり、人間界に拠点がうつった。そしてその意思を継ぐものの間で、黒魔女しつけ協会から持ち出された『魔王の王冠』が継承されてきたのではないかと考えました。*1

そして『黒魔女さんの夏休み』以降、復活した京太郎はそのことを孫に伝え、今巻の大形はその意思に基づいて行動しているのではないかと。彼にも魔界を弱体化させたくなるだけの動機は十分ありますから。

 

次巻起こりそうなこと 

次巻予想1:黒曜石そのものであるチョコと『魔王の王冠』を持つ大形くんが協力した結果、魔界にとんでもない災難が降りかかる。そのことによって、ギュービッドがピンチに陥る。

次巻予想2:チョコはギュービッドの側について魔界を救うか、大形たちとともに魔界と戦うかを迫られる。最終的にはギュービッドをとり、大形と別れる。 

 

「魔ぜるな危険」という言葉もあるように、黒曜石と『魔王の王冠』の出会いは魔界にとって絶対に避けたい事態であるのは間違いありません。

今巻、「人間を不幸に巻き込むのは黒魔女として大切な仕事だ」というギュービッドの発言を聞いたチョコが、「<黒魔女さんとは何か>を突きつけられるとけっこう落ち込む」と思うシーンがありました。黒魔女の精神に染まりきれない彼女が、反魔界の考えに親しみを持ち、同じ人間出身である大形と、魔界出身のギュービッドの間で揺れる展開は十分想像できます。

また、数ヶ月前に公式ホームページで石崎先生が「次の長編では『悲しい別れ』がある」というようなことをおしゃっていました。物語の都合上、最終巻前にギューチョコが別れるとは考えづらいので、ここは大形との別れなのではないかと思いました。

 

 

全体的な感想

神巻でした。

読み終わった時、比喩ではなく実際に手が震えました。黒魔女さんらしい繊細な心理描写と毒の効いた展開。主人公が生まれつき周りに不幸をもたらす力があるとか攻めまくり。でもこの攻めがまさに黒魔女さんですよね。

そして最後のページのこの一文。

鈍足だから、ひきずられているように見えたかもしれないけれど、でも、まちがいなく、あたしは自分の力で走っていた。『6年1組黒魔女さんが通る⑩』p181

 ここめっちゃ石崎イズム(←?)感じません? 石崎先生の書くこういう文章大好きです。

15年間続いてきた大形問題ですが、次巻で一つの区切りがつくのだと思います。10年以上ハラハラしながらこの一件を追ってきました。ラストスパートどうなるのか、本当に楽しみです!

 

 

 前巻の感想はこちら

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 次巻(最新刊)の感想はこちらの2つ

krmjsnfan.hatenablog.jp 

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*1:京太郎と東海寺迦楼羅が知り合いかのような描写があったことを考えると、その間、陰陽道などの他の魔術的なものとの交流があってもおかしくないと思います。

【6-1黒魔女さんが通る】『黒魔女さんのハロウィーン☆大パニック』【感想】

6年生編9巻感想

 

 

これの続きです 

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第1話 

あらすじ

 ハロウィーン間近の幸町。黒魔女一級を目指すチョコは、人間界に紛れ込んだ魔界の住民を「ゲイジング」で見破るという修行を通して、内申点アップを狙っています。

 ある日、当麻明菜という女性と、その娘のラミアが家にやってきます。当麻さんはチョコママの大学時代の同級生。彼女に頼まれ、イギリス育ちで、日本に来るのは初めてというラミアを、チョコは街案内に連れて行くことにします。

ハロウィーンで賑わう商店街に入ると、急に「人間達はハロウィーンを全くわかっていない」と言い出すラミア。たまたま出くわしたメグや舞ちゃん、麻倉や東海寺に向かって正しいハロウィーンのあり方について話し出しますが……

 

オカルト知識満載の黒魔女さんらしいお話

石崎先生のオカルトへのこだわりが随所で発揮される黒魔女さんシリーズ。今回は新キャラ・ラミアがハロウィーンについて鈴木薫さん並みのうんちくを披露します。どれも面白かったんですが、かぼちゃの化け物「ジャック・オウ・ランタン」の本当の姿は、すでに同名のキャラが登場しているのもあり、特に「へぇ〜」と思いました! ハロウィーンはケルト人のお祭り「ソーウィン」のことだったという話もありましたが、「ソーウィン」という単語自体は桃花編でも出てきましたね。

 あとがきに、当麻明菜とラミアの名前は、それぞれ中世ヨーロッパの学者「トマス・アクィナス」と、ギリシャ神話に登場する怪物「ラミア」に由来していると書いてありました。このこだわりめちゃくちゃ黒魔女さんらしくて好きです。特に魔界キャラかつ作者オリジナルキャラは、中世ヨーロッパの人物や伝説上の生き物の名前が付いている例がとても多く、石崎先生のオカルトガチ勢っぷりが伺えます。それから、スペイン語に由来した呪文が多いということも書いてありましたが、呪文だけでなく、地名人名も同様です。例えば、桃花ちゃんの故郷のバダホス村、「黒魔女さんの修学旅行」に出てきた「理夫人」の本名ベルトラネハなどがそうです。

 

石崎先生のオカルト講義を楽しめる素晴らしい本

 

 

新しいゴスロリ

修行の最中に犬のウンコを踏んでしまったチョコ。古いゴスロリをクリーニングに出したので、今巻はいつもとは違うゴスロリです。ギュービッド様の裁縫得意設定が久々に登場して嬉しかったです。

黒魔女さんは服装の描写がとても細かく、読んでるだけでワクワクしてくるのですが、今回の新しいゴスロリのシーンもとても良かったですね!生地が死ルクだったり、スカートが三段になっていたり、いつもより高級&ハデなところがテンション上がります。そして石崎先生の文章を完全再現した亜沙美先生のイラスト、かわいい〜。p45もいいですが、表紙だと一層赤と黒のコントラストが映え、袖もボリューミーになっていて豪華な感じがします。この衣装は今巻かぎりなのかな。次の次の巻が魔界長編のはずだから、そこでまた見たいです。

 

 

第2話

あらすじ

ハロウィーン当日の朝。チョコ、ギュービッド、桃花、大形の4人は、「魔法鬼」をして遊びます。「魔法鬼」とは、鬼になったひとが捕まえた相手に変身魔法をかける、魔界版の鬼ごっこです。

その後登校すると、6−1はハロウィーンの仮装パレードの話で持ちきり。誰が何のコスプレをするかで大盛り上がりです。

帰宅後、商店街へゲイジングに出かけるチョコ。そこで魔界の住人らしきひとを発見します。さらに、仮装パレード中の6-1にも異変が起こり……

 

魔界の鬼ごっこ

早朝、魔界版鬼ごっこをして遊ぶギューチョコ桃花&大形。ここの大形くんは分身バージョン(とチョコは思ってる)なので人畜無害とはいえ、この4人が普通に遊んでるのはなんだか不思議で面白いです。特に大形に対するギュービッドの態度が新鮮でした。大形を捕まえて「さあて、大形は、なにに変身させよっかなあ〜」とか言っているのですが、「黒魔女さんの修学旅行」でガチで拘束魔法をかけていた時の敵対モードとは打って変わって、たまに会う親戚のお姉さん感が漂っているというか。大形くんも普通の小学生みたいで、「修学旅行」以降はなかなか見られない姿だったのでちょっと懐かしかったです。あとp108の桃花ブタ超かわいい。抱きしめたいです。

 

コスプレ6-1

仮装パレードの役柄を決める6-1。カブりがないように、36通りの役柄が書かれたカードをそれぞれ一枚ずつ引き、それをふさわしい人に渡すというやり方です。「閻魔あいになーれ」というカードを引き、舞ちゃんに渡すエロエース。頬を赤らめる舞ちゃん。

前から思ってたんですけど、石崎先生明らかにエロ舞を推してますよね。6年生編に入ってから、「小島くんの狼を受け止められるのはあたししかいない」発言などもあり、急速に進展した感じがありますが、実はかなり昔から推されてます。無印5巻のマンドラゴラの回でもカップルにされたりしてるし。しかもその時に駄目押しみたいに「ああいう頭のいい女ってのはさ、自分よりダメなやつを守ってやりたいと思いがちなんだよなぁ」とかギュービッドに言わせてますしね。

それで、6-1メンバーはそれぞれ仮装をするのですが、エロエースがエロガッパ、マリアちゃんがキョンシーなど、それぞれ個性が出ていて面白いです。特に笑ったのは与那国くんの「暴走する人工知能」です。今っぽくて面白かったです。リアルタイムネタといえば、「やたら女子力がたかい、保健室のみな実先生」が出てきましたね。この現実のモチーフを取り入れるスピード感、まさに黒魔女さんです。

 

 

全体を通して

5年生編のハロウィーンとは違って日常編でしたが、今回もとっても面白かったです。前巻を読んだ時に文章のテンポがめちゃくちゃ初期っぽいなと思ったのですが、今巻もそれは変わってないような気がしました。

大形問題はこれであっさり解決してしまうのかな? と思ったのですが、次巻の説明文からするとまだ一悶着ありそうです。「『恐怖の魔法使い』から、今度こそ本当に心を入れかえて戻ってきた大形くん」とあるのですが、ここまで「心を入れ替えた」ことが強調されるってことは逆に心を入れ替えてないパターンですよね、多分。そうなると次巻のラストはなかなか絶望感漂うものになりそうです。ドキドキしますね。

 

 

次巻の記事はこちら

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【黒魔女さんが通る】暗御留燃阿関連のセリフで打線組んだ【お誕生日記念】

暗御留燃阿さんお誕生日おめでとう

あけましておめでとうございます。昨年は本編では一昨年に引き続き大形問題が大きく動き、また個人としてはブログを通して改めて黒魔女さんについて考えることができ、黒魔女ヲタとして非常に充実した一年でした! 実は多忙のため、昨年10月に出た新刊をまだ読めていないのですが、本屋さんで並べてあるのを見ると背表紙が薄くて期待大です(黒魔女さんはそんなに長くない巻の方が面白いと思ってます)!

さて、本日1月6日は私の推し、暗御留燃阿さんのお誕生日です!!!

さすがに推しの誕生日ぐらいは新しい記事をあげようと思い、暗御留燃阿関連のセリフ(本人のセリフ+暗御留燃阿に言及したセリフ)で打線を組んでみました! 本来ならチョコさんや大形くんの誕生日にも何か書きたかったのですが、あいにく時間がなく……。

 

 打線

1遊 「わたしの指導法は魔科学にもとづいたシステマティックなものよ。」

2中 「やはり、こいつはダメ黒魔女。それも、弟子に追いぬかれ、出世に目がくらんで、魔界の反乱に手をかそうとした極悪黒魔女だ。」

3右 「だけどさ、ふしぎだよね。あんなに、きれいで、ぶっちぎりの優等生の暗御留燃阿先輩が、よりによって、札付きの不良黒魔女のギュービッド先輩と親友だなんて。」

4一 「あら、黒魔女は心がきたないほうがいいのよ。」

5三 「あの、美しく、誇り高い黒魔女が、低級で成績も下の下の、見習いダメ黒魔女たちの前で、バカにされるなんて、たえられない。」

6二 「だがな、大形。おまえの計画は、うまくいかないぜ。暗御留燃阿が『修行修了。すべての科目で最優秀。』なんて、いうわけないからな。」

7左 「暗御留燃阿が? まさか、そんなわけは……。」

8捕 「いまさらおそいわ。ここでやめたら、あなたのご両親がどうなると思って?」

9投 「上司が話してるの! 部下はだまっていなさい!」

 

解説

1遊 「わたしの指導法は魔科学にもとづいたシステマティックなものよ。」(無印3巻2話p136)

 無印3巻第2話において、チョコをギュービッドから取り上げようとした際の暗御留燃阿のセリフ。「システマティックな指導法」というなんか難しい言葉から、頭がいいイメージや、プライドが高そうな雰囲気も伝わり、暗御留燃阿の魅力を最大限引き出しているセリフと言えそう。

 石崎先生は「黒魔女さんの小説教室」で、「主人公」「お助けキャラ」「敵キャラ」を物語の中心になるキャラだとおっしゃっていて、「敵キャラ」の例として彼女の名前も載っています。作中で擁護されることもなく、憎まれ役を一手に引き受けてくださっていたのが、高飛車で頭脳明晰で美しい初期の暗御留燃阿様なんすよ。

 

2中 「やはり、こいつはダメ黒魔女。それも、弟子に追いぬかれ、出世に目がくらんで、魔界の反乱に手をかそうとした極悪黒魔女だ。」(無印12巻p289)

「黒魔女さんのお正月」におけるベルゼブルのセリフ。「黒魔女さん」シリーズにおける暗御留燃阿のこれまでの活躍を一言にまとめたもの。ここまで簡潔に容赦なく極悪っぷりを語ったセリフは他になく、さすが魔界最強の悪魔といった感じです。

 

3右 「だけどさ、ふしぎだよね。あんなに、きれいで、ぶっちぎりの優等生の暗御留燃阿先輩が、よりによって、札付きの不良黒魔女のギュービッド先輩と親友だなんて。」(魔女学校物語1巻第1話p111)

魔女学校物語1巻で、シーラカンス事件について噂する、名もなき後輩ちゃんのセリフ。ギュービッドと暗御留燃阿の関係性にはたくさんの見所があるのですが、やはり性格や考え方や作品で与えられた役割など、様々な面で対照的なキャラであることは外せないと思います。そうでありつつ、黒魔女としてのスペックの高さ(高魔力で頭がいい)は共通してるのがライバルとしての緊張感を生んでいるのかもしれませんね。この後輩ちゃんは見る目あると思う。

 

4一 「あら、黒魔女は心がきたないほうがいいのよ。」(無印6巻3話p242)

無印6巻第3話にて、自分の出世のために人間の子どもに魂を差し出させるという行為を咎められた暗御留燃阿が放った開き直りの一言。どうにかしてさやかちゃんを助けようとするチョコへの勝者感たっぷりの煽り、結果的にそのせいでギュービッドがピンチになるというオチなど、このシーンの暗御留燃阿は憎まれ役をやりきっていて本当に素晴らしいです。悪役時代の暗御留燃阿を象徴するセリフであり、不動のエースです。

 

5三 「あの、美しく、誇り高い黒魔女が、低級で成績も下の下の、見習いダメ黒魔女たちの前で、バカにされるなんて、たえられない。」(無印12巻p34)

「黒魔女さんのお正月」における大形くんのセリフ。外見の良さ・プライドの高さ自体は他の場面でもよく触れられているのですが、よりによって、作中で一番彼女のことを嫌いであろう大形くんが「美しく、誇り高い」という言葉を使って暗御留燃阿を評したことにグッときました。このシーンの彼は演技をしているので、必ずしも言葉通りには受け取れないのですが、そうであっても大形にわざわざ指摘されるほどの美貌ってどんだけだよとシンプルに思いますね。

 

6二 「だがな、大形。おまえの計画は、うまくいかないぜ。暗御留燃阿が『修行修了。すべての科目で最優秀。』なんて、いうわけないからな。」(無印12巻p283)

「黒魔女さんのお正月」で、「暗御留燃阿に修行修了を認めてもらい、黒魔法マスターになる」という大形の計画を聞いたギュービッドのセリフ。「『すべての科目で最優秀。』なんて、いうわけない」と断言できるのは、暗御留燃阿のプライドが高い性格を熟知しているからだと思います。この「わかってる感」は魔女学校時代のさまざまな思い出に裏打ちされたものでしょうが、わざわざそれを話さなくても、なんでもないことのようにこの言葉が出てくるのも最高です。

 

7左「暗御留燃阿が? まさか、そんなわけは……。」(無印7巻p238)

「黒魔女さんのハロウィーン」にて、学生時代の暗御留燃阿がエクソノームとギュービッドの関係を嗅ぎつけ、仲を引き裂いたと知った時のギュービッド様の反応。

この反応の理由としては、エクソノームとの契約を他の誰かに知られているとは思わなかったのに加え、たとえ知られたとしても、暗御留燃阿がエクソノームを脅すのが想定外だったからだと思います。このセリフの時点のギュービッドは暗御留燃阿が自分に嫉妬しているのをおそらく本気で知らないので、エクソノームを脅す理由が理解できないからです。

ギュービッドは決して鈍感な性格ではありません。むしろ、学生時代、ほぼ接点がなかった桃花の性質を見抜き、「キレやすい」という短所をコントロールするために最適のもの(ダイナマイト)をプレゼントするなど、観察眼が鋭くて神経が細やかなタイプだと思います。それなのに三年間も一緒に暮らしている大親友の鬱屈に気づかなかったことからは、「暗御留燃阿が自分に劣等感を抱く」事態が、ギュービッドにとっていかに思いもよらないことだったのかがわかります。暗ギューの根本的なすれ違いが一言に凝縮されているセリフです。

 

8捕 「いまさらおそいわ。ここでやめたら、あなたのご両親がどうなると思って?」(無印4巻p197)

「黒魔女さんのシンデレラ」の大形回想シーンで、暗御留燃阿が大形(幼稚園児)を脅した時のセリフ。なかなか非人道的なことを言う場面にもかかわらず、「ご両親」、幼稚園児相手に「あなた」など、言葉のチョイスが絶妙に上品で、貴族出身らしさを感じさせます。また、大形と暗御留燃阿の師弟時代のやり取り(大形のセリフは地の文ですが)が書かれた場面は無印4巻のこのシーンしかなく、貴重です。

 

9投 「上司が話してるの! 部下はだまっていなさい!」(無印3巻p133)

 無印3巻第2話において、チョコを取られそうになり、反論しようとしたギュービッドに対して暗御留燃阿が言い放った衝撃的な一言。元同級生に対して全力でマウントをとるこの姿勢は、悪役としても非常に素晴らしいのですが、無印12巻の大形のセリフや14巻あとがきなどでギュービッドへの複雑な感情を知ってから読むと、彼女へのライバル意識がバリバリに感じられるところも可愛いです。

 

おわりに

暗御留燃阿って、魔界年齢だとまだ22歳なんですよね。魔女学校卒業してからは2年しか経ってない。その2年の間に、大形を弟子にして魔力封印したり、5段に昇格してアジア地域統括インストラクター長になったり、チョコをスカウトしたり、黒魔女総監督官になろうとして失敗して7級に戻されたり……。人生濃すぎませんかね。濃さだけで言ったら大河ドラマの主人公並みです。外伝書かれたらめちゃくちゃ面白そう。それに単純に、石崎先生が大人の女性を主人公にしたらどうなるか見てみたいです。

 2020年は青い鳥文庫40周年、『黒魔女さんが通る‼︎』15周年という記念すべき年です。物語も佳境に入った感があるので、どうか今年こそ暗御留燃阿が大形問題にかかわってくれるといいなと思っています! 2月の最新刊も楽しみです!

 

 

 

【黒魔女さんが通る】各キャラ段位&強さまとめ【6年生編19巻まで更新】

各キャラの段位について(2021/06/25更新)

各キャラ段位一覧表

本文中に明記されているキャラと、ある程度推測可能なキャラを載せました。明記されているキャラは○、私が推測したキャラは△を記入しています。複数の段にまたがっている場合は、「○段から○段の可能性が高い」という意味です。

(スマホで見る場合は横スクロールしてください)

  7級 4級 3級 2級 1級 初段 2段 3段 4段 5段 6段 7段
チョコ                      
ギュービッド                      
桃花ブロッサム                      
大形京                      
暗御留燃阿                      
森川瑞姫                      
桜田桃香                      
黒雷毬音                      
エレオノーラ                      
ティアー                      
マカズキン                      
ビルト                      
フランカ                      
ミラベル                      
エルマ                      
テス                      
ヴェロニカ                      
ポジェナ                      
ヴィヴィアナ                      
アレンカ                      
アデル                      
モデスタ                      
タニヤ                      
ミルフィーユ                      
ファビオラ                      
ジェマ                      
ブレンダ                      
エミリ・サリボーン                      
ギューバッド                      
メリュジーヌ                      
ティカ                      
サティリコ            
スッテンマイヤー                    
ニイカ                      
マリー                      
濡烏              
ブラヴァツキー              
ヒルデガルト              
パジョー                  
デスカ            
ジェニファー              
部屋野純子              
カイム                      
レオナール                    
玖龍恋                    
レイ・アクティル                  
叶夢                  
ギュイヨン                      
華童亜沼                  
グラシュティグ                      
アグリッパ                  
理夫人                      
日芳向日葵                      
エクソノーム                  
羅門ルル                      
悪魔情                      
アキュラシー        
矢指奏                      
富裕レイ                      
ソリス                      
青菜西男                      
きみえ                      
アキュラシー        
矢指奏                      
富裕レイ                      
きみえ                      

  

 段位に関する様々なルールについて

全般

①黒魔女・黒魔法使いには実力に応じて段位がある。なお、段位とは別に、「魔神第一階級」などの家柄を示す言葉もある。

②全ての魔界の住人が黒魔女になれるわけではない。魔力があるかどうかやその強さは必ずしも遺伝や血筋とは関係ないようである*1

③黒魔女最高位は7段*2であり、修行は7級から始まる*3

④「5段黒魔女」であれば「かなり強い魔力の持ち主」と認められるレベルであり、社会的な地位も約束されていると言えそうである。(暗御留燃阿が5段になった結果、アジア地域統括インストラクター長に任命されていたことなどから推測*4。)

王立魔女学校について

①3級で17歳以上の黒魔女が入学できる*5

②魔女学校の卒業時は一級黒魔女か初段黒魔女*6。学年が上がるごとに段位も一つずつ上がっていくと考えられる。

 インストラクター黒魔女について

①インストラクター黒魔女の昇進は、弟子の修行の進み具合によって決まる。*7

②特別な地位にある黒魔女がインストラクターを任命してはいけない。*8

③インストラクター黒魔女になれるのは成績優秀者*9

 

独断と偏見による強さランク付け&推定段位のざっくりした解説(2019/9/16作成)

(あくまで段位が想定できるキャラの中でです!)

 1位:ギューバッドorカイム

 2位:ギューバッドorカイム

 3位:メリュジーヌorグラシュティグ

 4位:メリュジーヌorグラシュティグ

 5位:大形京

 6位:アグリッパ

 7位:スッテンマイヤー

 8位:レオナール

 9位:ギュービッド

 10位:暗御留燃阿

 

解説

7段確定orほぼ確:グラシュティグ・メリュジーヌ・ギューバッド・カイム

まずグラシュティグ会長メリュジーヌ。12巻によれば、この二人の行動は魔界の黒魔女に大きな影響力があり、対立すれば、魔界の平和が乱れかねないレベルらしいです。*10。魔力的にもメリュジーヌは7段確定、グラシュティグもその立場的に当然最高位の7段でしょうから、ほぼ拮抗していると言えそうです。魔法図書館の警報装置、カイムおじいさまはそのメリュジーヌを操ることができるので、グラシュティグ・メリュジーヌよりも強いでしょう。ギューバッドは涙の国の女王であり、7段の魔力はあるはずです。天才型なのでトップクラスの魔力を持つ黒魔女の中でも頭ひとつ抜けていそうです。

6〜7段程度:大形・アグリッパ・スッテンマイヤー

大形くんは小五にして一国を乗っ取る、ほとんど誰も知らないような黒魔法を使えるなど、かなり強い黒魔法使いであることは間違いないです。暗御留燃阿(当時5段)より強く、グラシュティグ(推定7段)よりは弱い*11のでおそらく実力は6段〜ぎりぎり7段ぐらいです。アグリッパは、しつけ協会の有力メンバーであるだけでなく「彼への口ごたえは、グラシュティグへの口ごたえと同じ」とまで言われている*12ので6〜7段ではないかと。この二人はどちらも強そうですが、天才型の大形くんのほうにちょっと分があるのかなと思ってこの順位になりました。

スッテンマイヤーは黒魔女しつけ協会人間界支部長です。これはおそらく黒魔女しつけ協会の中(多分選び抜かれた有能の集まり)でもかなり重要な役割だと思われますので、そんじゃそこらのエリートよりはずっと強そうです。ですが、それ以外に魔力がわかる情報がないので、とりあえず大形・アグリッパより下にしました。

5〜7段程度:レオナール・ギュービッド・暗御留燃阿

レオナール伯爵は、暗御留燃阿(当時5段)の上司だったので6段以上はあるでしょう。

また、大形>ギュービッドは無印3巻の3話や六年生編修学旅行からほぼ確定。無印14巻あとがきなどからギュービッド>暗御留燃阿も確定です。ただし、同じ世代の中で憑依魔法ができるのがこの二人だけだったという発言等*13があるので、実力の差はそんなに大きくなさそうです。暗御留燃阿は現在は7級ですが、14巻のあとがきで初段認定魔法の忘却呪文を使っているので、魔力自体は落ちていないようです。

2〜5段程度:ダリル・パジョー・エクソノーム・玖龍恋・アクティル・華童亜沼・ロベ

パジョーは4段認定魔法の実体化魔法を使っているので4段以上*14。彼女は前年に辞職したエクソノームの後任としてやってきたと推測できるので、彼も同等の魔力を持っているだろうと考えられます。

玖龍恋・華童亜沼は、それぞれ魔界警察の特別捜査官・魔界の正門の番人というポストを任されています。華童が「スーパー大事な役目」と言っているように、一般の黒魔女よりも強そうです。

ダリルは黒魔女しつけ協会へレス支部長。ヘレスは魔界の一地方なので、黒魔女しつけ協会人間界支部長やアジア地域統括インストラクター長よりは規模が小さいですが、初段〜4段はありそうです。彼女も天才型なので、段位以上の魔力があるかもしれません。

ロベは異端審問官。エリートなので5段ぐらいありそうです。ただし、インストラクター黒魔女の進級は弟子の修行の進み方で決まるというルールがあり、ロベはかなり偽って報告していました。なので、もし彼が5段以上の黒魔法使いだとしても、実際の魔力はそれよりいくらか落ちそうです。それゆえこの順位です。

アクティルはブラックウィッチ学園の教師をしていました。王立魔女学校とブラックウィッチ学園のレベルが同程度だと考えると、ブラックウィッチの生徒も卒業時で一級か初段のはず。なのでアクティルは2段以上はあるでしょう。レオナールがそんなに弱い魔法使いを部下にするとも思えないし、王宮のスパイなので、普通の教師よりも強いでしょう。

初段〜5段程度:王立魔女学校の教師たち(濡烏・ジェニファー・ヒルデガルト・ブラヴァツキー・部屋野純子・デスカ・サティリコ・桃花・きみえ・叶夢・ギュイヨン

ギュイヨンは作中の記述から、3段黒魔女確定です。叶夢は学年一の優等生だったことを考えると、少なくともギュイヨンと同等の魔力は持っていると考えられます。

桃花ちゃんは初段確定でインストラクター黒魔女。無印12巻によれば、サティリコも元インストラクター黒魔女です。また、きみえもPart0でチョコのインストラクターになろうとしていました。前述の通り、インストラクターは成績優秀じゃないとなれないので、3人とも魔界全体から見れば優秀な黒魔女であることは間違いないです。桃花編一巻第2話のパジョーのセリフなど*15から、王立魔女学校はインストラクター黒魔女を育てることを目的とした学校のようなので、そこで教えてる先生たちも優秀なはず。ふつう、教師は生徒より強いと思われるので、2段以上はあるでしょう。

初段〜:エレオノーラ・エルマ・ミルフィーユ

王立魔女学校は一級か初段で卒業します。エレオノーラ先輩ミルフィーユは研究科に進学していることが明らかになっており、初段卒業組と思われます。進路は不明ですが、桃花の学年のなかでいちばんの優等生のエルマも同様でしょう。

1級〜:森川・桜田・黒雷・その他桃花同級生・ミルフィーユ同級生・アキュラシー・悪魔情

王立魔女学校を卒業しているものの、魔力の強さについての記述があまりないキャラクター。エオスターラのサバトで結界を張ったりしているところなどから、森川はこの中では若干強いような気もしますが……。

悪魔情は2級魔法使い。レオナールの手紙など、重要そうなものも運んでいるのでけっこう信用がありそう。アキュラシーはその悪魔情よりも正確無比なのでもしかしたらもっと強いのかもしれないですが、よくわからなかった。

3〜1級:日芳向日葵・エミリサリボーン・ニイカ・マリー・理夫人・矢指奏・富裕レイ・幸野良希・潮風彩香・羅門ルル

向日葵は一級確定*16。魔女学校の3年生のエミリサリボーンは一級か。ニイカ・マリーは王立魔女学校二年生のはずなので2級。6年生編6巻第3話から、矢指奏・富裕レイは2級。六年生編修学旅行から、理夫人は2級*17幸野良希・潮風彩香は黒魔女2級試験を受験しており、2級か3級。ルルちゃんは死の国王立魔女学校の一年生なので3級かと思われます。 

 

 

 

 

 

 

 

*1:桃花編2巻p96や、8巻第1話における暗御留燃阿と聖水十字架の魔力の差など

*2:7巻p211

*3:2巻p141

*4:3巻p130

*5:12巻p98

*6:桃花編1巻p122

*7:Part0 p136

*8:Part0 p136

*9:12巻p68

*10:12巻p251

*11:12巻p302

*12:04巻p16

*13:6巻p140

*14:桃花編1巻p133

*15:「みなさんの多くは、将来、インストラクター黒魔女として、人間に取り憑き、黒魔女にしたてあげる仕事をするわけですが」魔女学校物語一巻p133

*16:「黒魔女さんのクリスマス」p113

*17:「黒魔女さんの修学旅行」p180