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青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【6-1黒魔女さん】怒涛の伏線回収巻『黒魔女さんと黒魔術の王』【11巻感想】

この記事の続き

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

あらすじ

チョコが「周りに不幸をもたらす」黒曜石の力を持っており、大形がその力を引き出す「魔王の王冠」を持っていることが発覚した前巻。彼らは魔界警察に追われ、桃花・ギュービッドともに魔界へ逃げることになります。メリュジーヌから黒魔法教団・魔ンドレーエが大形を狙っているという話を聞いたチョコたちは、教団に立ち向かうべく奮闘しますが……。

 

 

回収された・されなかった伏線

回収された謎・伏線

①京太郎復活の理由

→大形が自らの改心のために、死者を蘇らせる魔術・死者誤入を復活させたから。

②大形の改心の背景

→一部判明。綺麗な心を取り戻してチョコの元へ戻るために、元黒魔法使いの祖父を頼ろうと考えた。

③「魔王の王冠」とはなにか

→とても強い魔力のこと。「暗黒の騎士」と「黒曜石の黒魔女」が「黒魔術の血痕」をすると発生する。

 

 回収されなかった謎・伏線

①京太郎は何者なのか

→元魔法使いということ以外不明。

②東海寺迦楼羅など、京太郎以外の死者復活の理由

→不明。(死者誤入のためとも考えられるが、迦楼羅は毎年麻倉家の別荘を訪れているという記述が『黒魔女さんの夏休み』にあり、死者誤入が復活した時期と矛盾する)

③『黒魔女さんの夏休み』にて、真言で京太郎がよみがえったように見えた理由。

→不明。

④チョコが「黒曜石の黒魔女」なのはなぜか

→不明。

 

 

感想

大形京、ガチのマジで改心していた

今巻、ついに『黒魔女さんの夏休み』で京太郎が復活した謎、そして『黒魔女さんの呪いの学園』で大形がいい人になっていた謎が発覚します!

7年前に死亡した大形の祖父・京太郎。彼を蘇らせたのは、なんと孫である大形京でした。綺麗な心を取り戻してチョコの元へ戻りたい彼は、元黒魔法使いの祖父を頼ろうと考えたのです。そのために、死者を蘇らせる黒魔法「死者誤入」の復活を目論んでいた黒魔法教団・魔ンドレーエに近づき、みごと「死者誤入」に成功。京太郎とともにうらみを消す修行をしていたというわけです。

11巻展開予想記事に反し、何の含みもなくいい人になっていた大形くん。改心シーンが描かれなかったのは正直びっくりしたのですが、心を入れ替えた理由は納得できるものでした。

うらみにとらわれ、何度も魔界支配を試みてきた大形。そんな自分を、チョコは幾度も助けようとしてくれました。いつしか彼の心の中に、綺麗な心を取り戻してチョコと一緒にいたいという気持ちが芽生えます。

暗御留燃阿を許したからとかではなく、「チョコと一緒にいたい」という思いでつらい修行をのりこえたのがとても彼らしいと思いました。魔界の王を目指していた人物にしては改心に向かう動機が幼い気がするのですが、そのことが逆に、精神は幼児のままなのに強大な魔力のせいで危険人物扱いされてきたことに対する悲しみなどを感じさせてよかったです。

「魔王の王冠」を黒魔術の王に渡して魔界を混乱におとしいれるか、拒否してギュービッドと桃花を見殺しにするか、究極の選択を迫られたチョコ。そんな彼女に、大形は「自分のよさはなんなのか、いまの自分の強いところはなんなのか、考えて」と声をかけます。これまでチョコにかなわなかった理由を、「(チョコは)自分の思いに、すなおに行動したから」「その正直さにぼくは負けたんだと思う」と振り返る大形。『黒魔女さんのホワイトデー』の「なぜ格下のチョコに負けるのかわからない」という自らの発言に対するアンサー的なセリフです。

意を決して魔法石の呪文を唱えるチョコ。突風がふき、黒魔術の王が「魔王の王冠」を奪い取るために用意していた「未完ジュース」が逆に彼自身の口に入ってしまいます。魔力を抜き取られて消滅する王。さすがチョコさん、覚悟を決めると強いです。

しかし「未完ジュース」は、拘束魔法をかけられて弱っていた大形の口にも入ってしまいました。魔力と記憶を奪われ、うすれゆく意識の中で、「……ぼくたちは、いつだって鏡のようにわかりあえてきただろ?」「だから、魔力がなくなっても」「ぼくたちは、ずっと……」「つながってるんだよ」と言い残す大形。みんなを救うために唱えた呪文なのに、かえって取り返しのつかない事態を引き起こしてしまい、パニックに陥ったチョコはギュービッドに助けを求めます。

さすが石崎先生、最高の引きです。やっぱ黒魔女さんって本来こういうお話ですよねぇ。良かれと思ってした行為が自分の一番大切な人を傷つけてしまうとか、最高にツボです。しかもチョコが魔法石の呪文を唱えたのは大形くんの励ましの結果ですから、本当に芸がこまかいです。「鏡のようにわかりあえてきた」というセリフもいいなあ。

次巻は日常編っぽいですが、大形の救済はまた次の魔界編になるのでしょうか。私としてはそろそろ暗御留燃阿が自分の責任を果たさなくてはいけないのではと思ってるんですが、出てくるんですかね。楽しみです。

 

魔王の王冠と黒曜石の黒魔女

大きな謎の一つだった「魔王の王冠」についてもその正体が判明しました!

前巻、大形のポケットの中から出てきた伝説の「魔王の王冠」。しかし結論から言えばそれは偽物。大形をはめるために魔ンドレーエが用意したものでした。本物の「魔王の王冠」とは、魔界の支配すらできるような非常に強大な魔力のことです。

もともと古代黒魔術を研究する平和的な同好会だった魔ンドレーエ。しかし数年前、「黒魔術の王」を名乗る人物が会長になってからは、死者を蘇らせる黒魔法「死者誤入」を復活させて魔界を支配しようと考えだしたそうです。教団の元ネタは薔薇十字団でしょうか。黒魔女さんらしいですねぇ。黒魔術の王のキャラデザも好きです。悪役なのに純白のコートを着ているのがいいです。この作品の悪役らしいかっこよさ。

「死者誤入」について書かれた書物「黒魔術の血痕」によれば、「暗黒の騎士」と呼ばれる死霊魔術をきわめる者と、「黒曜石の黒魔女」と呼ばれる者が、お互いに血痕指輪をはめて「黒魔術の血痕」をするとき、「魔王の王冠」がうまれるのだとか。黒魔術の王は、「黒曜石の黒魔女」とはチョコのことであり、「暗黒の騎士」は最強の死霊魔術・死者誤入を成功させた大形だと推測します。

 魔王の王冠が宝石ですらないというのは盲点でした。「だれひとり本物をみたことがないからこそ、ニセモノの画像でだまして売りつけることができる」というカラクリも、妙にダークなリアルさがあって黒魔女さん感ビシビシで嬉しかったです。そして石崎先生は「騎士」がお好きなのかな? 『黒魔女の騎士ギューバッド』シリーズなんてタイトルに「騎士」がついているし、強いこだわりを感じます。

気になるのは、チョコが「黒曜石の黒魔女」であることに関して特に説明がない点、そして『黒魔女さんの夏休み』であれほど意味ありげに登場した京太郎が、それ以降全く出てこず、元黒魔法使いであること以外に詳細が明らかになっていない点です。今後掘り下げがあれば嬉しいなと思います!

 

 

まとめ

めっちゃ面白かったです!

『黒魔女さんの修学旅行』以降登場した謎が一気に回収される怒涛の伏線回収巻でした。 次巻は日常巻なので大形のことは一旦お預けになるのかもしれませんが、この問題は絶対に面白く着地してくれると確信を持てる巻でした。石崎先生ありがとうございます! 次巻も楽しみです!

 

 

 

感想記事その2

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【6-1黒魔女さん】『黒魔女さんと黒魔術の王』展開予想【ためし読みに寄せて】

黒魔女ファンの皆さんこんにちは。

『黒魔女さんが通る!!』シリーズ最新刊、『黒魔女さんと黒魔術の王』の発売まであと2日を切り、緊張でげろがでそうなやったぜです。

さて、本日6月8日、青い鳥文庫公式ホームページにて、最新刊の「ためし読み」が公開されました! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

aoitori.kodansha.co.jp

なのでそれを読んでの感想・展開予想・疑問などを書き残しておきたいと思います!

 

 

感想・展開予想・疑問

新刊のもくじは以下の通り。

  1. 黒魔女さんの大脱走
  2. なぞ解きはダジャレのあとで
  3. なぜに、あなたたちがここに!?
  4. キューピットの矢は2種類ある……
  5. 『チョコ』はフランス語で『ショコラ』
  6. 呪ってうれしい、魔ないちもんめ
  7. 黒魔女さんのすべらない話
  8. 自分のよさには、自分では気づかないものdeath
  9. なぞ解きはひとり墓っ地で
  10. 暗黒の騎士と黒曜石の黒魔女
  11. 黒魔術の血痕
  12. 未完ジュース 
プロローグ(「ためし読み」で読むことができます)

今までの大形問題の振り返り。やはり今巻は彼中心に進んでいくのでしょう。

気になるのが、このプロローグが三人称で書かれていること、そして京太郎とともに姿を消した大形が、「うそのようにやさしい人」になったという記述です。

大形にスポットを当てたプロローグといえば6-1編の6巻。ですがそれは一人称で書かれており、魔界&暗御留燃阿へのうらみ、チョコと6−1への執着など、彼の偽らざる気持ちがストレートに伝わってくるものでした。

しかし今回はあくまでも3人称なので、大形の本心はわかりません。「やさしい人」になったらしいですが、前巻、その様子を見たギュービッドの「たしかに大形はいい子になった。(略)だけど、なーんか信用できないんだよな」という発言もありました。以前のような邪悪な意思はないにしても、なにか隠していることがありそうです。

というかあるでしょうね。さすがに大形の改心イベントにチョコたちが立合わず、事後報告で終わるのは物語の展開的にありえないでしょうから。

 

1.黒魔女さんの大脱走(冒頭2ページを「ためし読み」で読むことができます)

大形とともに魔界警察から逃げるチョコ。

「ためし読み」の最後に登場した「金色の髪、ピンク色の瞳、ピンクの魔女服」の人物は桃花で間違いなさそうです。おそらく3人+ギュービッドで警察から逃れて魔界に向かうのでしょう。

気になるのは桃花の拘束魔法が大形に効いていること。なんの意味もない可能性もありますが、これまでの彼の強キャラ描写からするとなんらかの事情があるのかも……?

 

2.なぞ解きはダジャレのあとで

このサブタイということは、この時点でギュービッドがチョコたちに合流しているはず。

 

3 .なぜに、あなたたちがここに!?

「あなたたち」は表紙に出てきた6-1メンバーのことかと。キャラ紹介のページを読むに、『黒魔女さんの修学旅行』と同じような扱いになりそうです。

 

4.キューピットの矢は2種類ある……

「キューピットの矢」についてググったところ、以下のような記述を発見しました。

クピドは有翼の愛の神で、彼の持つ黄金の矢はそれに射られた者の心に激しい恋情を植えつけるという話はあまりにも有名である。しかし逆に鉛を先につけた矢で射られた者は恋する心を失うのである。

http://la-piazza.com/piazza5/cupido/index.html

前巻大形に恋心を抱いていたチョコですが、「9.なぞ解きはひとり墓っ地で」などからするとここで一旦恋心を失うのかもしれません。

 

5.『チョコ』はフランス語で『ショコラ』

『黒魔女さんと黒魔術の王』に採用の読者アイディアに「ショコラ姫」というものがあったので、チョコが魔界の誰かと結婚しそうになるのかも。

 

6 .呪ってうれしい、魔ないちもんめ、7.黒魔女さんのすべらない話

すみません、ギャグターンであろうこと以外わかりません。

 

8.自分のよさには、自分では気づかないものdeath

6巻で登場した「好感メモ蝶」が活躍しそう。京太郎に半分渡しているし。離れ離れになったチョコと大形がこのグッズを使って再び心を通わせるのかなと思います。京太郎と大形の修行の掘り下げなどはこの章でおこなわれそう。

 

9.なぞ解きはひとり墓っ地で

2章「なぞ解きはダジャレのあとで」と似ているので、「なぞ解きはダジャレのあとで」で浮上した問題を解決するための章かと思います。

 

10.暗黒の騎士と黒曜石の黒魔女

フェチズムを感じるいいサブタイ。前巻出てきた魔法石と魔王の王冠の謎がいよいよ明らかになる? 「黒曜石の黒魔女」はチョコで間違いないでしょうが、「暗黒の騎士」が気になります。大形は王子・王要素はあるけど「騎士」という感じではないしなぁ……。

 

11.黒魔術の血痕

フェチズムを感じるいいサブタイ②。大形とチョコが黒魔法を使える血筋(血痕)であることと、この巻で重要なテーマになりそうな「恋」(結婚)のダブルミーニングかもしれないです。読者採用アイディアの「血痕指輪」も活躍しそう。

 

12.未完ジュース

わからん。大形が黒魔法使いではなく人間として生きることを選び、子ども(「未完」成な状態)としての生活を始めるとか?

 

 

まとめ

おそらく大形問題に大体の決着がつくであろう次巻。石崎先生がこの問題を綺麗に締めてくれそうなことに関して感謝しかないです。プロローグには暗御留燃阿(推し)の名前も出てきましたが、彼女(もちろん登場しますよね?)がどう関わってくるのかも非常に楽しみです!

 

 

 

 

 

【黒魔女さん】桃花ちゃんの名シーンを振り返る【お誕生日おめでとう】

桃花ちゃんお誕生日おめでとう

昨日4月30日は、ベルティンのサバトの日、つまり桃花ちゃんのお誕生日でした!

それに合わせて何か記事を書こうと考えていたのですが、結局いいものが思いつかず、パソコンの前で悩んでいたら1日が終わってしまいました……。桃花ちゃんごめんね……。

そして散々悩んだ挙句、初登場から最新刊までで印象に残っているシーンをいくつか挙げて語ってみることにしました! 彼女は登場回数が非常に多く、重要度も高いのでなかなか選ぶのが大変だったのですが、以下の場面が特にお気に入りです〜。

 

 

桃花ちゃんベストシーン5選

校長室襲撃シーン(『魔女学校物語』1巻 第1話)

「わたしは黒魔法で、火の国の十七歳の少女を、全部調べたのさ。すると、おまえが、バカがつくほどのまじめな子だとわかった。魔力は人なみでも、そのぶん、きっと人一倍努力をする子だろうと思った。だから、入学許可書を送ったんだよ。」『魔女学校物語』1巻p71

お嬢様揃いの王立魔女学校で一人、地方の農家出身&黒魔法にもなじみが薄い桃花ちゃん。劣等感を感じて自信を失っていた彼女に、ルームメイトのマカズキンとティアーが魔力増強ワインの一気飲みを提案します。最初は校則を破ることに抵抗を感じていた桃花ですが、だんだん酔っ払っい、ついには校長室に突撃してしまいます。

「なぜ貴族でもなければ魔力も少ない自分を入学させたのか」と尋ねる桃花に、メリュジーヌは真面目さを買ったのだと答えます。確かに魔力は人並みだけれど、人一倍努力する子だろうと思ったと。そして、「魔力が強ければ、素質があるってわけでもないし、いい黒魔女になれるわけでもない」「大切なのは、自分を知ること。そして、それに見あった努力ができること」と語ります。

このシーン、読んでいて励まされるという点でも素敵なのですが、メリュジーヌの桃花観があきらかになるのも嬉しいです。彼女が最も評価しているのはその真面目さ、正直さ。チョコや大形のような潜在魔力の強さや、ギュービッドのような地頭の良さに比べ、一見目立たない美点ですが、そういうものもきちんと評価するところに教育者としての実力を感じます。

その後も桃花ちゃんを生活監督官に選んだり、彼女が大形のインストラクターに任命された会議に同席したりしているので、メリュジーヌの桃花への信頼度はかなり高いと思われます。これらのシーンで先生がどのように桃花を推したのかも見てみたいです!

 

ミルフィーユを守るシーン(『魔女学校物語』1巻 第2話)

「わかりました! 受けて立ちます!」『魔女学校物語』1巻p200

本編では妹キャラとして描かれることが多い桃花ちゃんの、先輩としての一面を見ることができるシーンです!

魔女学校二年生になったある日、後輩のミルフィーユが私立ブラックウィッチ学園の生徒に黒死呪文勝負をふっかけるのを目撃した桃花。とっさに止めに入り、かわりに自分が勝負を受けて立つと宣言します。

このシーンの桃花、ミルフィーユの視点から見ると頼れる先輩感がすごいです。校長の孫だということを鼻にかけて、上級生に反抗的な態度ばかりとっていたミルフィーユ。なかでも生活監督官の桃花にはトップクラスに迷惑をかけていました。それなのに、自分が招いたピンチに駆けつけ、危ない目に遭わせないために先に帰らせてくれる……。そりゃ心も入れ替えちゃうよね。魔女学校に戻る時、彼女が最後まで桃花を見つめてるの、ワルになりきれない感じが出ちゃってて好きです。数ヶ月後のエオスターラのサバトでは逆にミルフィーユが桃花を助けるのも成長を感じていい。

ちなみに桃花が後輩たちと一緒に逃げずに勝負を受けてしまった理由は、尊敬するメリュジーヌの悪口を言われたから。こういうところ、実はアツいよなあと思います。

 

紫吹モモ姿&悪役姿(無印5巻1話)

「あたしは、一番で修行を終えて、黒魔女の女王になる。そして、魔界を支配するのよ。」『黒魔女さんが通る』 5巻 p68

無印5巻で人間界へやってきた桃花ちゃん。最初はメグのいとこのモモちゃんとして登場しました。

チョコのファッション知識のなさに「わっ、最低〜」と引いたり、ラブandベリーで遊びながら初対面の年上をパシる桃花ちゃん、なぜかクソガキっぷりがすごく板についています。

反対に、大形を騙すために「出世のために幼い子供たちを生贄として捧げる」という演技をする姿は若干無理してる感があって可愛いです。上級生にタメ口で話し、「黒魔女の女王になって魔界を支配する」という計画を披露する桃花。学生時代とギャップがありすぎてギュービッドには一発で嘘を見抜かれそうだし、馬鹿正直な性質ゆえか、チョコたちを挑発するような発言をしていてもイマイチ迫力がありません。この演技に騙された大形の、魔界の王への道のりはかなり遠いと言わざるをえないでしょう。

 

チョコにお弁当を作ろうとして断念するシーン(無印5巻2話)

『ハンバーグとか、ポテトとか、そんなグロいものは、やっぱり作れません。ごはんは炊いたので、五百円で何かおかずを買ってください 桃花・ブロッサム』『黒魔女さんが通る』 5巻 p102

このシーンの桃花ちゃんは気のきく有能な後輩の面と、魔界人特有の傍若無人な面が両方感じられていいです!

5-1とハイキングに行くことになったチョコ。当日繰り広げられるであろうお弁当マウント合戦を想像してウンザリしていると、桃花ちゃんが「だれにもばかにさせない、とびっきりのお弁当」を作ってみせると息巻きます。

聞けば、学生時代の家庭科の成績は学年トップだったとか。彼女の学年には「火の国料理コンテスト・ジュニア部門」で優勝経験のあるビルトもいたはずですが、持ち前の真面目さで追い抜いたのでしょうか。チョコの好物がハンバーグやフライドポテトだと聞いてドン引きしながらも、お料理本を見て作ってみると宣言する姿が素直で好感が持てます。カロリーの心配をしてチョコのお腹を触るのも、距離の詰め方が上手で可愛い。

でも結局、お弁当箱に詰められていたのは白いご飯と500円玉+冒頭の手紙でした。人間界の食材は魔界出身の桃花にはグロすぎたようです。約束をドタキャンしたのに罪悪感を感じてなさそうな感じ、好きです。桃花ちゃんは基本的にいい子ですが、ときどき天然で毒舌だったり失礼な所があるのが面白いです。

 

インストラクターとして奮闘するシーン(6−1編4巻)

「あなたは責任感が強すぎます。ちゃんとおしえようという気持ちが強すぎると、弟子の心が見えなくなります。」(6−1編4巻p16)

12巻で大形のインストラクターに任命された桃花。慣れない仕事に奮闘しますが、巡回魔法使いのアグリッパに上記の指摘をされてしまいます。

しっかり者で、学生時代は生活監督官としてミルフィーユを更生させたこともある桃花ちゃん。しかし初めての弟子が危険な魔力と邪悪な野望を持つ大形なのはさすがに荷が重すぎます。無印18巻などでも修行シーンが描かれていますが、どうも頭ごなしに叱りつけてばかりで、学生時代のような頼れる感じはまだ出せていないように見えます。

しかしアグリッパの言う通り、それも真面目で責任感の強い性格ゆえ。桃花ちゃんは魔女学校3年生だったところを、王直々に大形の監視係やインストラクターとしてスカウトされたわけですから、見込みは相当あるはず。周りももっとフォローしてあげてほしいです〜。

次巻は大形中心のストーリーになりそうですが、桃花ちゃんの師匠っぷりも見れたら嬉しいなと、ちょっと期待してます!

 

 

終わりに

無印4巻のあとがきで登場し、無印5巻1話で大形の監視係として人間界にやってきた桃花ちゃん。彼女が本格的に物語に関わりだしたのは、日常編では麻倉&東海寺などの重要キャラが大体出揃い、魔界編でも大形の正体ばれイベントが終わったあと。つまり結構ストーリーが進んでからでした。そうにもかかわらず、初登場時からチョコ&ギュービッドと並んでも全く違和感がなく、今や作品に欠かすことのできない存在になっています。間違いなく読者キャラの中で最も出世したキャラクターだと思います。外伝もあと1巻は出そうですし、今後の活躍にも期待です!

 

 

桃花ちゃんが主人公の『魔女学校物語』シリーズの感想はこちら

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【黒魔女さん】表紙を語りたい【藤田香・亜沙美】

忘れてはいけない挿絵の魅力

こんにちは。黒魔女ファンの皆さんお元気でしょうか。

突然ですが、『黒魔女さん』の絵っていいですよね。 私は無印一巻の表紙のメグに惹かれて黒魔女さんを読みはじめましたし、無印3巻P99の暗御留燃阿には一発でノックダウンされました。無印6巻P67のギュービッド様の絵は構図からしてかっこよすぎるし、チョコのゴスロリは小学生の頃めっちゃ憧れました。6年生編9巻のnewゴスロリも可愛いだけではなく高級感があります。

このブログは主に作品の内容について書いてきたのですが、やはり黒魔女さんを語るにあたって藤田香先生・亜沙美先生の絵の魅力は外せないなと思います。

なので今回は表紙の魅力を語っていきたいと思います。15年の歴史を共に感じましょう!

 

 

 

表紙を語る

無印(藤田香先生) 

1巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:記念すべき第1巻の表紙。薄暗い校舎といい、完全に悪役顔のギュービッド様といい、ちょっと学校の怪談的な雰囲気があります。そして同じ5年生編でも12巻以降と比べると登場人物が圧倒的に大人っぽいです。口絵のメグとか高校生ぐらいに見える。かわいらしい絵ではありますが柔らかい感じではなく、黒魔女さんのダークな雰囲気にどハマりしています。むしろこの絵が作品の雰囲気を作っていたところもあったと思う。あらためて挿絵の力の凄さ、藤田先生の凄さを感じます。

2巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:第二話のモップを使った飛行シーンが元ネタと思われる。チョコが風に煽られるリボンを押さえているところに疾走感を感じられて好きです。ギュービッドが手を広げてバランスをとっているのも「またがる棒を用意し忘れて落下する」という恒例のネタが生かされていて好き。黒革コートのばさっとした感じもかっこいいです。

3巻

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背表紙:大形京

ひとこと:一話のビデオネタ、二話のテレビネタ、三話の大形ネタと、収録されている全てのお話の要素が入っている超バランスがいい表紙。きらびやかなアーチの向こうが闇空間なのとかめっちゃ黒魔女さんですよね。チョコの驚いたような表情もいい。この巻の内容衝撃的すぎて読者もみんなこういう顔になったと思います。

あとサブタイトルの「ライバルあらわる!?」も好き。チョコのライバル大形はもちろん、ギュービッドのライバル暗御留燃阿の登場も指しているであろうダブルミーニングです。

4巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:初の魔界巻。作中ではチョコがシンデレラになりましたが、表紙ではメグが変身。奥の方にラストシーンの舞台となった火の国のお城が描かれています。お城が建っている崖の形が悪魔の横顔のようでちょっと不気味。チョコとギュービッドは木の幹に腰掛けてますが、ギュービッドのコートの紐が木の枝に引っかかっている感じが好みです。

5巻

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背表紙:桃花ブロッサム

ひとこと:プールと青い空がさわやかな雰囲気。チョコの躍動感がすごい。ギュービッド様が浮き輪を使っているのは泳げないからでしょうか。オレンジのこうもり柄が夏らしくて可愛いです。唱えようとしているのは時間停止魔法?

6巻

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背表紙:グミ

ひとこと:第三話に出てきた組体操ネタがモチーフ。麻倉と東海寺がいるピラミッドとか即崩れそう。大形くん目めっちゃ死んでるけど超カメラ目線です。奥に描かれているメグが着ているのは作中でも身につけていたおしゃれジャージ。その下で号泣してる百合ちゃんとショウくんには何があったのでしょうか。

7巻

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背表紙:ジャックorオウorランタン

ひとこと:諸事情によりnewゴスロリのチョコ。ヘッドドレスとタータンチェックのがらが新鮮です。地味に桃花ちゃんが初めて表紙に登場した巻でもあります。船のさきに座る桃花ちゃん、おてんばそうな感じが可愛いです。橋の石造な感じとか、サバトの花火とか、魔界の雰囲気が伝わってきます。ギュービッド様がカンテラ魔法使っているのも芸がこまかいです。

8巻

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背表紙:黒鳥千香子

ひとこと:王立魔女学校の制服初お披露目。赤&黒のデザインがチョコのゴスロリっぽくて可愛いです。この表紙に関して、昔公式ホームページに「描かれているのはギュービッド&チョコですか? ギューバッド&ティカですか?」という質問が送られていたのですが、石崎先生の返答は「みんなの想像に任せる」的なものだった気がします。

9巻

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背表紙:羅門ルル

ひとこと:第二話の図書館ネタ。躍動感すごいです。前のめりになっているせいでチョコさんの腰のあたりにしわがよっているところとか、襟がだらんと垂れ下がっているところとか、改めて藤田先生の絵のうまさを感じます。手前の本も画面の外に飛び出しそうな迫力がありますよね。ギュービッド様の慌てているような表情もいいです。

10巻

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背表紙:スノー魔

ひとこと:マーリンの森が舞台。クリスマス巻だからか、あ、くまの家の前にクリスマスツリーが植えられているの特別感があっていいです。桃花ちゃんがギュービッドより手前に描かれるのはレア。この桃花ちゃん、こころなしかいつもより幼い気がします。「おかしな詰めあわせ」が入っている箱のチェック柄も可愛いです。

11巻

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背表紙:森川瑞姫

ひとこと:第一話のケーキ合戦の様子が表紙になっています。このお話は5-1メンバーが全員登場するので、表紙にご出演の人数も多いです。大活躍だった桜田杏ちゃんはもちろん、お菓子大好きな向井里鳴ちゃんが描かれているのはナイスな人選。里鳴ちゃん、ケーキをつまみ食いしてて可愛いです。

12巻

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背表紙:二イカ

ひとこと:二イカちゃんが初登場にしてはやくも表紙と背表紙にご出演。鬼ぎり、おバァさんなど、本編で登場したモチーフも描かれています。王立魔女学校を上から見た図はレア。屋根の赤と黒のくみあわせが黒魔女さんらしいですね。画面右上から左斜め下に向かって飛んでる隕石みたいなものはなんだろう。この辺から本格的にかわいらしい感じの絵柄になっていきます。

13巻

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背表紙:東海寺&麻倉

ひとこと:バレンタイン巻。表紙の縁取りがピンク色になっているピンク鳥文庫です。描かれているのはこれまたピンク色のクリームの中をお菓子に乗って飛んでいるキャラクターたち。バレンタインのワクワク&キュンキュンした雰囲気が前面に出ています。

森川以外の同級生組がカラーで描かれるのはこれが初。暗御留燃阿(推し)だけいませんが、前巻まで悪役だったのに急にお菓子の上で満面の笑みを浮かべてたら面白すぎるのでまあ妥当かと。彼女がカラーになるのはこの巻発売から10年後、6-1編12巻になってからです。

14巻

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背表紙:藤原遊馬

ひとこと:第一話の世麗舞塾が舞台の表紙。背景に舞っている桃花テストとギュービッドテストがかわいいです。桃花テストがすべて100点なのに対してギュービッドテストは35点とか10点とかがたくさんあるの、キャラの個性が出てて好きです。東海寺が風呂敷で教材包んでいるのなぜか納得すぎます。

15巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:ピンク×萌黄色の春らしく和風なデザイン。屏風にコウモリマークが描かれているところに黒魔女さんらしさを感じます。舞百合メグに取り合いされていてもキリッとイケメン顔のショウくんがちょっと面白いです。チョコのゴスロリは正座をするとスカート部分がトマトのヘタみたいになって可愛いですね。パニエふわっふわですごい。

16巻

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背表紙:大形京

ひとこと:黒い鳥文庫。四隅の鳥たちなどはピンクになっており、魔界のダークな感じとホワイトデーのラブリーな感じが両方でています。白馬の王子様ならぬ黒馬の王子様の大形くんはめちゃめちゃかっこいいですがこのシーンは作中にはありません。魔界舞台巻は背景にコウモリの群れが飛びがち。背表紙でバラに囲まれてる大形くんちょっと面白いです。

17巻

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背表紙:伊集院麗華

ひとこと:第一話に出てきたあやとり魔法がモチーフに。ギュービッド様が作ったあやとりのはしごにチョコが腰掛けている凝ったデザインです。紅白幕が表紙をぐるっと一周しているのもダイナミック。舞ちゃんブレザーすごい似合っていて、はやくも頼れる生徒会長感にあふれています。速水くんは初表紙。卒業式巻だからか、桜がたくさん描かれています。

18巻

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背表紙:霧月姫香

ひとこと:第一話・二話の音楽室の地縛霊ネタ。チョコとギュービッドの丸くてキラキラした瞳といい、透き通るような淡い色合いといい、すごく後期っぽい表紙だなと思います。学校の怪談ものっぽいところはちょっと無印一巻らしさもあります。

19巻

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背表紙:ミルフィーユ

ひとこと:コウモリ柄の3Deathがかわいいです。19巻が出たのが5年前ですが、もしかしたら今の子達はDSの存在を知らないかもしれないですね。カバー折り返しの鬼のコスプレしてるメグも大人っぽくて可愛い。メグのこのコーナー復活しないかな。

20巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:クラス替えを止める話。なので表紙にも5-1メンバーが大量に登場します。エコ帳をニコニコしながら読む古島真紅くん、骨董品をかたてに持つ土釜はやてくんなど、それぞれらしい表情がこれまでの積み重ねを感じさせます。エロエースがルルちゃんのうちわを持っているの泣けますね。そしてこうしてみると七福亭くんと麗華ちゃんがお似合いに思えてくるから不思議です。

0巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:黒い鳥文庫。黒地に赤が黒魔女さんらしい。そして不敵な笑みを浮かべるギュービッド様超かっけえ。サブタイトルの「そこにきみがいなかったころ」もめっちゃ好きです。やっぱり黒魔女さんはチョコとギュービッドの物語だなと感じさせます。魔界砂時計は作中にも登場したアイテムですが、0巻はプロローグ的なお話なので時間を巻き戻してる感もあって素敵です。


6年生編(藤田香先生・亜沙美先生)

1巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:6年生編に入り、タイトル文字のデザインが変わります。黒地に赤の縁取りから赤字に黒の縁取りに変化し、文字の中もグラデーションになって明るい雰囲気に。絵も色使いが明るくなり柔らかい感じに。

下の方に描かれている黒猫の正体は麻倉&東海寺ですが、猫になっても彼ららしさが残った表情なのがさすがです。ギュービッド様の猫耳コートと、背景で踊っている猫たちが可愛いです。

2巻

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背表紙:大形京

ひとこと:家庭訪問巻だからか、松岡先生が初めて表紙に登場。表情にお調子者感出てて好き。ちび6−1と、絵本みたいなタッチの建物が可愛いです。チョコさん脚超長くてうらやましい。大形はそんなに大きく描かれるほど活躍してないと思います。

3巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:このチョコの呆れと照れが入り混じった表情がすごく初期らしいです。麻倉くんはバラが似合いますね。背景のピンクコウモリも可愛い。後半の表紙の中でもかなり好きな方に入ります。体調悪かったはずなのにこんな素敵な表紙、本当に藤田先生って凄いしありがたい。

4巻

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背表紙:ギュービッド

ひとこと:七夕巻なので浴衣すがたのチョコさんです。涼しげでいい。コウモリの帯留と柄が可愛いです。チョコたちが乗っているのは魔界グッズのコードレスしょうじ機。持ち手の方に座っている大形くんの羽織ものが星柄で彦星っぽいです。そしてこの桃花ちゃんめっちゃスタイルよい。

5巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:6年生編の魔界編は表紙でコウモリが舞わなくなりました。

白雪姫のパロディ。ゴスロリをアレンジしたドレス、きちんと白雪姫感があって凄いです。小人になった男子たち、それぞれの個性がでていて好きです。与那国くんのタブレットにハートマーク描いてあるのかわいい。そして東海寺その表情はなんだ。

全体的にキラキラした表紙ですが、お話の中身はまあまあのダークさでしたね。この巻以降背表紙はずっとチョコさんです。

6巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:藤田先生による最後の表紙(原案)。麻倉と東海寺が作っている砂山にカエルマークの旗が立っているのを見るとやっぱり悲しい気持ちになってしまいます。

チョコの水着のゴスロリアレンジが自然で可愛い。ちょっと王立魔女学校の制服っぽいし、裁縫が得意なギュービッドが作ってくれたのかなとか色々想像できます。こうやって素敵な絵で毎巻ワクワクさせてくれていたことに対して感謝の気持ちをずっと持っていたいです。

7巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:初の亜沙美先生による表紙。『黒魔女さんの修学旅行』では男子たちがちび化していましたが、こちらでは女子たちがちび赤ずきんに。結実ちゃんが狼を抱っこしているの動物女王らしくていいですね。姫香さんは赤ずきんコスがなじみすぎていてさすがメルヘン女王だなと思います。第二話が和風タッチのお話だったからか日本の妖怪も描かれています。

8巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:チョコの表情がメグっぽく、メグの表情がチョコっぽいです。第二話がロリポップ・ココアの短編だったので彼女たちも大きくかかれています。双子のポップな感じが文化祭の楽しい雰囲気ともマッチしていてかわいいです。

9巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:新しいゴスロリのチョコさん。袖が薔薇みたいに広がっていて綺麗です。腰に紐が付いててコルセットみたいになっているのもツボです。メグがシスター、エロエースがエロガッパ、横綱がミイラの格好をしているのは作品の通り。作中の挿絵には横綱のコスプレ姿はなかったのでちょっと嬉しいです。欲を言えば閻魔あいコスの舞ちゃんみたいです!

10巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:名画「モナリザ」のパロディ。アルカイックスマイルのチョコさん美人です。目のちょっとカクッとした感じがすごい初期っぽいと思います。やっぱり黒魔女さんキャラは美人系の方が好き。

速水くんの絵はデューラーの「荒野の聖ヒエロニムス」、メグはルノワールの「パリジェンヌ」、麻倉&東海寺はラファエロの「システィーナの聖母」の一部分が元ネタです。

 11巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:大形くんがいつにもましてイケメンな表紙。作中では白の詰襟をお召しですが、表紙では黒でちょっとダークな雰囲気です。6巻の第1話で着ていたものでしょうか。左側にいるのはシンデレラ&王子様のコスプレをした大谷くん&エロエース。大谷くんがお団子ヘアになっているの可愛いです。ギュービッド様は表情もポーズも前巻と似ていますね。

12巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:リモート授業ネタを扱った最新刊。表紙のレイアウトもzoomっぽいです。横綱のうしろにお蕎麦屋さんのメニューのようなものが描かれていたり、灯子ちゃんが弟妹に呼びかけている風だったり、それぞれのお家の雰囲気が知れて嬉しいです。

そして暗御留燃阿は初登場から14年目にしてついにカラーに! このポーズと悪役っぽいドヤ顔、めっちゃ暗御留燃阿らしいですね~。スーツのシワもいい感じ。彼女が表紙に登場するということは、大形問題への本格参加を期待してもいいんでしょうか!? 

13巻

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背表紙:チョコ

ひとこと:大形問題解決巻として、大形&チョコのラブラブな表紙になるかと思っていたので、男子陣が小さめなのが意外でした。

その代わりに描かれたのは、親指を立て、不敵な笑みを浮かべるチョコらしき人物。6年生10巻以来伏線が張られてきた、黒曜石の黒魔女関連の回収もあるのかもしれないですね!

個人的には、ラブ要素全開ではなくダークでシリアスな感じの表紙なのはうれしかったです。
亜沙美先生ありがとうございます!

14巻

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 背表紙:チョコ

ひとこと:チョコの手のひらと袖のフリルの影がリアルで好き。ギュービッドがマイクを持っているのは、作中に登場した中学校の説明回の司会をイメージしているのでしょうか。収録されていたお話の内容を考えると、キャラクターの人選はこれでよかったのか? という気もしますが……。

 

黒魔女の騎士ギューバッド(藤田香先生)

1巻

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背表紙:王立魔女学校の校章

ひとこと:黒い鳥文庫。霧に包まれた真っ暗な画面や騎士団の仮面姿が怪しげな雰囲気を醸し出しています。学生時代のメリュジーヌ、サラサラの金髪とすらっとしたスタイルの絵に描いたような美少女ですね。ギューバッドとの手のつなぎ方が乙女っぽくて素敵です。二人の背後のハルバートはかなりリアルなタッチで描かれており、それが一層画面に迫力を与えている気がします。

2巻

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背表紙:王立魔女学校の校章(青)

ひとこと:マリス&エルスとギューバッドたち。双子たちの目の色が同じなところ、きょうだいっぽさがあっていいですね。背景はカンタレラの森で、画面右下にいるのは森の奥深くに住む雪白カエル。表情豊かで藤田先生のカエル愛を感じます。上の方に描かれているギューバッドめっちゃまつ毛長くてうらやましいです。

3巻

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背表紙:王立魔女学校の校章(紫)

ひとこと:サンタフスタ騎士団のゴンサロとフレデラー、サポス族の長のゴドフリと流浪の旅人ビアヘロが登場。サンタフスタ騎士団の二人の表情、気迫が感じられて素晴らしいです。背景にはタロット・ディモニオも舞っています。ギューバッドは黒騎士姿が似合いますね。ふわっと広がったマントと膝の関節の感じが好みです。涼しい顔のビアヘロもかっこいい。

 

魔女学校物語(藤田香先生)

1巻

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背表紙:桃花ブロッサム

ひとこと:本外伝の主人公、桃花ちゃんが一人で表紙を飾っています。読者キャラ出身でよくここまで出世したな。彼女のファンは感涙だったのではないでしょうか。表紙をぐるっと囲む王立魔女学校の門のアーチが重々しくてかっこいいです。でもこれ、桃花ちゃん校門から締め出されるようにも見える……

2巻

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背表紙:ティアー

ひとこと:フォカロルの三人がご出演。ティアーの柔らかいブラウンの髪が可愛いです。マカズキンが広げているのは教科書でしょうか、はたまた創作用の資料でしょうか。桃花ちゃんは外伝になると毛量が増えますね。カバー折り返しの三角巾&エプロン姿も調理実習感あって可愛い。

3巻

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背表紙:マカズキン

ひとこと:フォカロルに続いてアモンのビルトたちも登場。マカズキンが荷物をスポーツバッグに入れてるのすごい彼女らしさを感じます。生徒たちを見守る初代校長レ・トロワ・フレール像がかっこいいです。

 

キャラブック(藤田香先生)

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背表紙:チョコ

ひとこと:無印7巻のゴスロリのデザインを利用した表紙。4隅の逆十字がかっこいいです。裏表紙の王立魔女学校校章に書いてある「Real Academia de Bruja Negra」は「王立魔女学校」の意味。黒魔女さんオタなら想像がつくかと思いますが、もちろんスペイン語です。

 

 

終わりに

振り返ってみると、やっぱり藤田先生・亜沙美先生の絵は最高だなという結論に落ち着きました。さりげなくコウモリが描かれていたりとか、本当に細かいところまで愛情こめて描いてくださっているんだなと思います。

また、『黒魔女さん』はお話の雰囲気が無印3学期編からガラッと変わるのですが、それに合わせて表紙の絵柄も変化しているの、プロの技術を感じました。最近は内容的にダークさが復活してきて、絵の方も初期っぽくなっていると思います。

ここ最近は過去記事のリライトばかりしていましたが、新しい記事を書くとやはり発見が多いです。新刊発売までにリライトと並行していくつか新記事も出せたらと思っています。

【6-1黒魔女さん10巻】感想&大形京関連考察

 *この記事はこれ↓の続きではなく、最新刊『恋に落ちた黒魔女さん?』を読んで再び考察し直したものです。

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

あらすじ

第1話

魔界からいい人になって戻ってきた大形くんと一緒に登校し、なぜかドキドキするチョコ。水辺の公園に写生大会に出かけたとき、魔界グッズ「魔法鏡メガネ」をかけていたチョコは、人魚のような姿の女性を発見します。

翌日、合唱コンクールの指揮者に選ばれてしまったチョコ。最初はまとまりがなかった6−1ですが、次第に練習にも真面目に取り組むようになり、歌も見違えるほど上手くなります。ところが、合唱コンクール当日、思いもよらぬ出来事が……

 

第2話

一級黒魔女になるために「魔法石」について学ぶチョコ。魔法石とは、魔力が秘められた石のこと。太陽の石や月の石など7種類あり、黒魔女にはそれぞれ生まれた星座ごとに魔界誕生石があります。チョコの魔界誕生石は土星の石。人間界での名は「黒い黒曜石」で、まわりに不幸をもたらすという特徴があります。

魔法石に秘められた魔力は強大ですが、石単体では効果を発揮しません。その魔力をひきだすには、『魔王の王冠』という別の石が必要です。ところが、『魔王の王冠』は魔界に一つしかない上に、何百年もまえにぬすまれたきりです。

学校行事の美術館見学の最中、魔界の住人に『魔王の王冠』の持ち主だと思われて絡まれるチョコ。しかも大形に「黒鳥さん自身が黒曜石なんだ。生まれつき土星の魔法石の魔力を秘めているんだよ」と衝撃的なことを告げられます。さらに、なぜか大形が『魔王の王冠』を持っていて……。

 

 

大形京関連の考察

大形京太郎の正体&大形の行動の目的

考察1:大形たちの行動の目的は、魔界の弱体化である

考察2:京太郎は、誰かから反魔界の意思を引き継いだ人物である

前巻まで大形くんは亡き祖父・京太郎のもとにいました。なので今巻の彼の行動は、祖父の影響を受けたものだと考えられます。

なぜか『魔王の王冠』を持っていた大形くん。『魔王の王冠』があれば、魔法石の強力な魔力を意のままに扱うことができます。今巻ラスト、大形くんはチョコをつれてどこかに行こうとしていました。このことから、大形(たち)はチョコの力が何かしらの理由で必要なのではないかと考えました。

ではそのチョコの力とは何か。大形の「黒鳥さん自身が黒曜石なんだ。生まれつき土星の魔法石の魔力を秘めているんだよ」というセリフからすると、それは「まわりに不幸をもたらす」力です。

前述したように、魔法石の力はとても強力です。現にギュービッドはこのように言っています。

「魔法石に秘められた魔力は強大なんだ。正しい使いかたを知ってさえいれば、おまえみたいな低級黒魔女でも、7段黒魔女を呪えるほどさ。それどころか、魔法石の組み合わせ次第では、半径十キロメートル以内の黒魔女全員に呪いをかけることもできるんだぜ」『6年1組黒魔女さんが通る⑩』p103

ただでさえ不幸の発生源だと言われているチョコ。「魔王の王冠」で黒曜石の力を十分に引き出すことができたら、その呪いは”半径十キロメートル以内”にとどまらないでしょう。実際、この発言を受けてチョコは「『魔王の王冠』があれば、魔法石のすごい魔力を使い放題なんでしょ。それこそ、魔界を支配することだってできそうだし」と意味深な発言をしています。

彼らが欲しているのは、黒魔女を呪い、不幸にする力とも言えそうです。言い換えれば魔界に何らかの大ダメージを与えることができる力。

そしてそのような力を欲している京太郎は、おそらく反魔界的な意思を持っている人物だと思います。今巻のギュービッドの発言のとおり、黒魔女というのは基本的に人を苦しめ呪うことをよしとします。また、大形のように、無理やり黒魔女にされ、使い捨てられる人間の子供もいます。それに反発する勢力が魔界の内部に一定数いてもおかしくないと思います。

ただし、彼自身は魔界出身ではないと考えられます。なぜなら、『黒魔女さんの夏休み』にて「魔界とやら」と言っているからです。彼が魔界の人物なら、この表現は不自然です。だから、最初に反魔界活動をしていた人物の関係者ではあるものの、彼自身は魔界との関わりは薄いのではないかと推測しました。

最初の反魔界活動はもっとずっと前に始まったのかもしれません。数百年前『魔王の王冠』を盗んだのも彼らで、魔法石の力を使った作戦も当時からあったのだろうと思います。しかし、彼らは少数派でしょうから、次第に魔界では活動しづらくなり、人間界に拠点がうつった。そしてその意思を継ぐものの間で、黒魔女しつけ協会から持ち出された『魔王の王冠』が継承されてきたのではないかと考えました。*1

そして『黒魔女さんの夏休み』以降、復活した京太郎はそのことを孫に伝え、今巻の大形はその意思に基づいて行動しているのではないかと。彼にも魔界を弱体化させたくなるだけの動機は十分ありますから。

 

次巻起こりそうなこと 

次巻予想1:黒曜石そのものであるチョコと『魔王の王冠』を持つ大形くんが協力した結果、魔界にとんでもない災難が降りかかる。そのことによって、ギュービッドがピンチに陥る。

次巻予想2:チョコはギュービッドの側について魔界を救うか、大形たちとともに魔界と戦うかを迫られる。最終的にはギュービッドをとり、大形と別れる。 

 

「魔ぜるな危険」という言葉もあるように、黒曜石と『魔王の王冠』の出会いは魔界にとって絶対に避けたい事態であるのは間違いありません。

今巻、「人間を不幸に巻き込むのは黒魔女として大切な仕事だ」というギュービッドの発言を聞いたチョコが、「<黒魔女さんとは何か>を突きつけられるとけっこう落ち込む」と思うシーンがありました。黒魔女の精神に染まりきれない彼女が、反魔界の考えに親しみを持ち、同じ人間出身である大形と、魔界出身のギュービッドの間で揺れる展開は十分想像できます。

また、数ヶ月前に公式ホームページで石崎先生が「次の長編では『悲しい別れ』がある」というようなことをおしゃっていました。物語の都合上、最終巻前にギューチョコが別れるとは考えづらいので、ここは大形との別れなのではないかと思いました。

 

 

全体的な感想

神巻でした。

読み終わった時、比喩ではなく実際に手が震えました。黒魔女さんらしい繊細な心理描写と毒の効いた展開。主人公が生まれつき周りに不幸をもたらす力があるとか攻めまくり。でもこの攻めがまさに黒魔女さんですよね。

そして最後のページのこの一文。

鈍足だから、ひきずられているように見えたかもしれないけれど、でも、まちがいなく、あたしは自分の力で走っていた。『6年1組黒魔女さんが通る⑩』p181

 ここめっちゃ石崎イズム(←?)感じません? 石崎先生の書くこういう文章大好きです。

15年間続いてきた大形問題ですが、次巻で一つの区切りがつくのだと思います。10年以上ハラハラしながらこの一件を追ってきました。ラストスパートどうなるのか、本当に楽しみです!

 

 

 前巻の感想はこちら

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 次巻(最新刊)の感想はこちらの2つ

krmjsnfan.hatenablog.jp 

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 

 

*1:京太郎と東海寺迦楼羅が知り合いかのような描写があったことを考えると、その間、陰陽道などの他の魔術的なものとの交流があってもおかしくないと思います。

【6-1黒魔女さんが通る】『黒魔女さんのハロウィーン☆大パニック』【感想】

6年生編9巻感想

 

 

これの続きです 

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 

第1話 

あらすじ

 ハロウィーン間近の幸町。黒魔女一級を目指すチョコは、人間界に紛れ込んだ魔界の住民を「ゲイジング」で見破るという修行を通して、内申点アップを狙っています。

 ある日、当麻明菜という女性と、その娘のラミアが家にやってきます。当麻さんはチョコママの大学時代の同級生。彼女に頼まれ、イギリス育ちで、日本に来るのは初めてというラミアを、チョコは街案内に連れて行くことにします。

ハロウィーンで賑わう商店街に入ると、急に「人間達はハロウィーンを全くわかっていない」と言い出すラミア。たまたま出くわしたメグや舞ちゃん、麻倉や東海寺に向かって正しいハロウィーンのあり方について話し出しますが……

 

オカルト知識満載の黒魔女さんらしいお話

石崎先生のオカルトへのこだわりが随所で発揮される黒魔女さんシリーズ。今回は新キャラ・ラミアがハロウィーンについて鈴木薫さん並みのうんちくを披露します。どれも面白かったんですが、かぼちゃの化け物「ジャック・オウ・ランタン」の本当の姿は、すでに同名のキャラが登場しているのもあり、特に「へぇ〜」と思いました! ハロウィーンはケルト人のお祭り「ソーウィン」のことだったという話もありましたが、「ソーウィン」という単語自体は桃花編でも出てきましたね。

 あとがきに、当麻明菜とラミアの名前は、それぞれ中世ヨーロッパの学者「トマス・アクィナス」と、ギリシャ神話に登場する怪物「ラミア」に由来していると書いてありました。このこだわりめちゃくちゃ黒魔女さんらしくて好きです。特に魔界キャラかつ作者オリジナルキャラは、中世ヨーロッパの人物や伝説上の生き物の名前が付いている例がとても多く、石崎先生のオカルトガチ勢っぷりが伺えます。それから、スペイン語に由来した呪文が多いということも書いてありましたが、呪文だけでなく、地名人名も同様です。例えば、桃花ちゃんの故郷のバダホス村、「黒魔女さんの修学旅行」に出てきた「理夫人」の本名ベルトラネハなどがそうです。

 

石崎先生のオカルト講義を楽しめる素晴らしい本

 

 

新しいゴスロリ

修行の最中に犬のウンコを踏んでしまったチョコ。古いゴスロリをクリーニングに出したので、今巻はいつもとは違うゴスロリです。ギュービッド様の裁縫得意設定が久々に登場して嬉しかったです。

黒魔女さんは服装の描写がとても細かく、読んでるだけでワクワクしてくるのですが、今回の新しいゴスロリのシーンもとても良かったですね!生地が死ルクだったり、スカートが三段になっていたり、いつもより高級&ハデなところがテンション上がります。そして石崎先生の文章を完全再現した亜沙美先生のイラスト、かわいい〜。p45もいいですが、表紙だと一層赤と黒のコントラストが映え、袖もボリューミーになっていて豪華な感じがします。この衣装は今巻かぎりなのかな。次の次の巻が魔界長編のはずだから、そこでまた見たいです。

 

 

第2話

あらすじ

ハロウィーン当日の朝。チョコ、ギュービッド、桃花、大形の4人は、「魔法鬼」をして遊びます。「魔法鬼」とは、鬼になったひとが捕まえた相手に変身魔法をかける、魔界版の鬼ごっこです。

その後登校すると、6−1はハロウィーンの仮装パレードの話で持ちきり。誰が何のコスプレをするかで大盛り上がりです。

帰宅後、商店街へゲイジングに出かけるチョコ。そこで魔界の住人らしきひとを発見します。さらに、仮装パレード中の6-1にも異変が起こり……

 

魔界の鬼ごっこ

早朝、魔界版鬼ごっこをして遊ぶギューチョコ桃花&大形。ここの大形くんは分身バージョン(とチョコは思ってる)なので人畜無害とはいえ、この4人が普通に遊んでるのはなんだか不思議で面白いです。特に大形に対するギュービッドの態度が新鮮でした。大形を捕まえて「さあて、大形は、なにに変身させよっかなあ〜」とか言っているのですが、「黒魔女さんの修学旅行」でガチで拘束魔法をかけていた時の敵対モードとは打って変わって、たまに会う親戚のお姉さん感が漂っているというか。大形くんも普通の小学生みたいで、「修学旅行」以降はなかなか見られない姿だったのでちょっと懐かしかったです。あとp108の桃花ブタ超かわいい。抱きしめたいです。

 

コスプレ6-1

仮装パレードの役柄を決める6-1。カブりがないように、36通りの役柄が書かれたカードをそれぞれ一枚ずつ引き、それをふさわしい人に渡すというやり方です。「閻魔あいになーれ」というカードを引き、舞ちゃんに渡すエロエース。頬を赤らめる舞ちゃん。

前から思ってたんですけど、石崎先生明らかにエロ舞を推してますよね。6年生編に入ってから、「小島くんの狼を受け止められるのはあたししかいない」発言などもあり、急速に進展した感じがありますが、実はかなり昔から推されてます。無印5巻のマンドラゴラの回でもカップルにされたりしてるし。しかもその時に駄目押しみたいに「ああいう頭のいい女ってのはさ、自分よりダメなやつを守ってやりたいと思いがちなんだよなぁ」とかギュービッドに言わせてますしね。

それで、6-1メンバーはそれぞれ仮装をするのですが、エロエースがエロガッパ、マリアちゃんがキョンシーなど、それぞれ個性が出ていて面白いです。特に笑ったのは与那国くんの「暴走する人工知能」です。今っぽくて面白かったです。リアルタイムネタといえば、「やたら女子力がたかい、保健室のみな実先生」が出てきましたね。この現実のモチーフを取り入れるスピード感、まさに黒魔女さんです。

 

 

全体を通して

5年生編のハロウィーンとは違って日常編でしたが、今回もとっても面白かったです。前巻を読んだ時に文章のテンポがめちゃくちゃ初期っぽいなと思ったのですが、今巻もそれは変わってないような気がしました。

大形問題はこれであっさり解決してしまうのかな? と思ったのですが、次巻の説明文からするとまだ一悶着ありそうです。「『恐怖の魔法使い』から、今度こそ本当に心を入れかえて戻ってきた大形くん」とあるのですが、ここまで「心を入れ替えた」ことが強調されるってことは逆に心を入れ替えてないパターンですよね、多分。そうなると次巻のラストはなかなか絶望感漂うものになりそうです。ドキドキしますね。

 

 

次巻の記事はこちら

krmjsnfan.hatenablog.jp