黒魔女さんが通るブログ

黒魔女さんが通る‼︎ブログ

青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【黒魔女さんが通る‼︎】作風の変化を振り返る【2005-2019】

時間が経てば作風が変わるのは当たり前のことですが、初期の巻を読み返すと今とは随分違うなあと感じます。なので整理してみました。

 

 

1〜7巻:ダークでリアルな路線

無印7巻までの黒魔女さんは毒があったなと思います。そしてキャラがリアルだった(特に5−1女子)。こういうと語弊があるけど、みんなわりと嫌な子だった。チョコさんも相当クセの強い主人公だったし、舞ちゃんとか百合ちゃんも権力握るのがうまい女子って感じでしたし。松岡先生もアレだし。

だけど、現実感がないレベルの「巨悪」みたいなキャラはあまりいない。舞台が小学校だし、当然と言えば当然なのかもしれないけど。「身近にいるちょっと面倒くさい人」という感じで、毒は毒でも小学生が読んで「あ〜こういう奴っているよね〜」と感じられる毒だったと思う。

魔界キャラになるとレオナールとか暗御留燃阿とか出てきますけどね。悪役ではないけど、大形の不幸過ぎる来歴とか大半の小学生にとっては現実離れしてるし。でも、当時はあまり魔界に行ってなかったし、魔界キャラも少なかったから、魔界編はあくまで「特別編」という感じがありました。

 

 

8〜12巻:王道児童文学っぽい

8巻以降は毒要素が若干薄まった気がします。理由は多分、7巻を通してチョコさんが成長して、ちょっといい子になったから。ダーク要素は残しつつも、わりと主人公らしい主人公になってきたかなと思います。前ほどきつい毒を吐かなくなるしね。

特に『黒魔女さんのクリスマス』は、それ以前に比べてかなり王道児童文学っぽいノリだなあと思いました。『黒魔女さんのハロウィーン』も感動長編ですが、最後はちょっとおちゃらけて終わる。でも『クリスマス』はチョコの成長がはっきり示されるオチです。「黒鳥千代子は、みんなのおかげで11歳になりました」だからね。この文がめちゃくちゃ深くて好きだっていう話を前に書きましたけど。

 

 

13巻〜6年生編4巻:ダークさが消滅

この時期になると初期のダークな雰囲気はほぼ消滅する。チョコさんが成長したのもあるし、他の既存キャラもみんないい子になってきたから。舞ちゃんとかもそうだし、最たる例は暗御留燃阿ですね。

暗御留燃阿って、巻をまたいで登場するキャラの中では唯一の悪役らしい悪役だったじゃないですか。大形とかも敵になることはあるけど、彼には情状酌量の余地がありまくるし。その点暗御留燃阿はひたすら憎まれ役に徹してました。

だけど13巻でいきなりいい人になっちゃって、もう黒魔女さんワールドに悪役はいなくなったと思いました。暗御留燃阿オタなので余計に。

この時期新キャラもばんばん出てくるのですが、初期っぽい「嫌な子」はほぼいないですね。名前を見れば性格がつかめるようなネーミングのキャラがすごく多いのも特徴。

まあ初期だって、読者キャラの大半は「嫌な子」ではないのですが、ネーミングに関しては13巻〜はかなり特徴的だなあと思います。

 

 

『黒魔女さんの修学旅行』〜 :???

13巻から6年生編4巻まで、物語的にそれほど大きい変化はありませんでした。だけど、『黒魔女さんの修学旅行』から、物語が大きく動いてるのを感じます。おそらく、大形京太郎が本格的に動き出して、大形問題の結末が見えてきたらつかめるかな?と思います。