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青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【6-1黒魔女さんが通る】02巻を振り返る【感想】

この続き。

 

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

第1話

あらすじ

家庭訪問が始まり、松岡先生から問題児だと思われていそうなことが気になりだすチョコ。「人の気持ちに敏感になれる魔法」をつかってクラスのみんなを助け、心証をよくしようと考えます。

ところがみんなの気持ちがわかるようになったせいでおせっかいを焼きすぎてしまい、かえって厄介な事態に。挽回のために魔界グッズを使ったりもしますが、なぜかグッズが余計な機能を発揮しだして逆効果に。さらにチョコの家庭訪問でも、ママと先生が喧嘩をし始めて……

 

みんなのお家&親

今回は授業参観回だったので、みんなのお家のことがよくわかりました!

新たに登場した父母の中でも、マリアちゃんのパパ、リャン・チャオウィさんはこのお話の後も何回か出てきているキャラ。たしかホームページか何かで石崎先生もお気に入りだとおっしゃっていたような気がします。

魔界グッズ「おしゃべり昆布」の誤作動でグーグル翻訳のような奇妙な喋り方になってしまったマリアパパ。「一本道のダンスが、クラスをまとめています」(「一路舞がクラスをまとめています」の意味と思われます)など、もはや魔界グッズに頼らずに直接話したほうがいいのではないかというレベルですが、本人的にはたくさん喋れてご機嫌だったみたいです。彼は6年生編4巻の授業参観にも来ていましたし、キャラブックによるとマリアちゃんのカンフーの師匠もしているらしく、子煩悩でフレンドリーな感じの方みたいです。「わたしの名前はリャン・チャオウィです。どうか、トニーとよんでください」という挨拶は「おしゃべり昆布」の影響によるものですが、授業参観回でも使っていたところを見ると気に入ったみたいですね。

灯子ちゃんの家は小さな弟と妹がおり、お掃除が行き届いていないのが心配な様子。散らかったおもちゃをテキパキ片付ける姿に主婦力の高さを感じました。いつもおだやかな灯子ちゃんですが、小学生にして家事を一手に担っているなんてかなり苦労人ですよね。それから、彼女のお父さんは営業マンなんですね。松岡先生のためにトイレのドアを開けるときも、「さあ、どうぞ!」とちょっとテンション高めなのが面白かったです。

 

インストラクター桃花

今回は大形くんの黒魔法修行の様子から始まりました。黒魔法で危険な「プロヴァンスのマタゴット」を出現させてしまった大形をしかる桃花ちゃん。大形くんはインストラクターの桃花よりも魔力はずっと強いはずですが、修行の内容は呪文の練習と、かなりオーソドックスですね。

桃花ちゃんは丁寧な性格ですが、大形との修行シーンでは軽く怒っていることが多い気がします。とはいえ、6年生編4巻でアグリッパの指導を受ける彼女を見た時の大形の反応からすると、仲は悪くないみたいですが。ここの師弟関係はほとんど掘り下げられてませんが、ぜひ詳しく知りたいです。

 

 

第2話

あらすじ

陰陽師の修行から帰ってきた東海寺くん。霊力がめきめきアップしていて、6-1のみんなのなくしもののありかを言い当てます。驚いたみんなは、次から次へと失せ物探しを依頼するように。チョコが詳しい事情を尋ねると、秘密の修行の様子を見せてくれると言う東海寺。彼と一緒に「回送」ならぬ「回想」バスに乗ったチョコは、運転手が魔界の人物であることに気づきます。さらに二人がたどり着いた先には、思いがけない者がいて……

 

東海寺大活躍

第2話は東海寺くん回でした。一ヶ月に及ぶ修行を終え、第一小に帰ってきた東海寺。京都の山の中で三日間、魑魅魍魎の恐ろしい姿に耐え続けたのだそうです。そのおかげで(?)霊力が上がり、失せ物探しを次々に成功させます。結局それは黒魔法の力だったのですが、陰陽師として本格的に活躍する東海寺くんをみれたのは無印4巻以来なのでうれしかったです。あたらしい真言も披露してくれました。

それにしても、東海寺くんって普通にいい子ですよね。荒廃した寺を立て直すために厳しい修行に耐えるなんて、なかなか小学生ができることではないと思います。亡き迦楼羅の背中をまっすぐ追いかけて立派な陰陽師を目指す姿はとても健気です。今回の彼の台詞からすると幼い頃はまだ迦楼羅が生きていたようなので、うっすらと東海寺華やかなりし時代を覚えているのかもしれないですね。

p122に寺の境内で話し合うチョコと阿修羅のイラストがありますが、こうしてみるとこの二人はお互いを引き立てあうビジュアルをしているなと思います。服の色も正反対だし。ストーリー的にはチョコの相手役は大形がしっくりきますが、絵になるのは東海寺かなと思います。

 

麻倉と東海寺

東海寺と麻倉の友情(?)にも焦点が当たった回でした。いつもチョコをめぐってけんかばかりしている二人。しかし、その戦い方はあくまでもフェア。仁義を重んじる麻倉は、ライバルに抜け駆けはしたくないらしく、東海寺が修行のために学校を休んでいる間はアプローチを控えていました。

今回、東海寺が失せ物探しを連続で成功させ、みんなが驚嘆しているときも、彼はひそかにライバルを心配していたみたいです。東海寺が毎日謎の「回想」バスに乗って修行に行っていることを突き止め、「みんなのために無理をしているのではないか」と推測。そのことを6-1メンバーに伝えます。「ライバルのインチキを暴いて恥をかかせてやるぜ!」というのではなく、東海寺を思いやる方向にいくのが麻倉らしいなあと思いました。しかも、無事を確認すると姿も見せずに去っていくあたり、最高にクールですね。

 

 

第3話

あらすじ

デイキャンプを控えた6-1。美里雷香ちゃんの与那国くんへの胸キュン発言を皮切りに、「男子のどんな行動にドキドキするか」を語り合う女子たち。それを受けて、わざとらしく胸キュン行動をする男子たちにチョコはへきへき。

デイキャンプ当日、いつものように大騒ぎする6-1。その様子を冷めた様子で見ていた秀才・速水くんが、突然親父ギャグを言い出します。さらに女子の命令をテキパキ聞く横綱、ぬいぐるみを抱き締める衣袋寛三先生などにも、女子たちはメロメロに。そこに桃花ちゃんがやってきて……

 

胸キュン男子たち

男子の胸キュン行動について語り合う6-1女子。ぶっきらぼうな男子が急に優しい言葉をかけてきたり、背の高い男子が掲示物の貼り付けをさりげなく手伝ってくれたり、チャラチャラ系男子が試合に負けて涙を流しているのをみると胸キュンするよね〜と盛り上がります。内容もそうですが、いつも冷静な舞ちゃんが急にくだけた言葉遣いになっていたり(「でも、すごい高いところにあって、手がとどかなかったのね。」「で、なにもいわずに、歩いてったの!」)、灯子ちゃんみたいなおとなしめの女子も鼻息を荒くしてるのがめっちゃリアルでした。なんでここまで生々しい雰囲気が出せるんだろう。石崎先生の心の中には乙女が住んでいるのか?

それを聞いて、これ見よがしに胸キュン行動をまねする男子たち。東海寺・麻倉とかはわかるのですが、葉月星夜くんや古島真紅くんも一生懸命真似していたのが意外でした。みんなモテたいんだなぁ。でも正しい使い方ができていたのは大形だけでしたね。

 

チョコは胸キュン女子?

以前から麻倉良子ちゃんに「おにいちゃま(麻倉)をたぶらかす魔性の女」認定を受けているチョコ。今回は図書館少女隊の三人からも「ドジっ子なので男子から胸キュンされるが、それゆえに女子から反感を持たれるタイプ」と言われます。あとがきでは男子たちが女子の胸キュン行動を語っていましたが、それによると、「ドジなことをすると可愛いと思う(速水)」「なんでもないところでころぶ女子もかわいい(大谷)」そうで、やっぱり6-1男子の間ではドジっ子の人気が高いみたい。反対に、「なんでもすぐ『かわいい』というところ(エロエース)」「すぐ群れるところ(横綱)」にはイライラするようです。たしかにチョコは抜けているところはあるし一人でいるのが好きですから、男子にとってはかわいらしいうえにイラッとすることもない女子なのかもしれないですね。ついでに自分の魅力に気づいてないときては、こんなに良い女子はいないし。「好きな異性のタイプ」系の話はお互いのエゴが出ますね〜。

私はチョコのクールでドライで等身大の「ダメな子」でもあるところが好きです。他の女子のしたたかで計算高いところも、男子受けは悪いかもしれませんが私は好きですよ。

 

 

 全体を通して

第1話では家庭のことがわかったし、第2話では麻倉と東海寺がメインだったので、6−1メンがより掘り下げられた巻だったと思います。第3話は細かいセリフまわしのリアルさが復活していたのが嬉しかったです。表紙には大形くんがめっちゃ大きく描かれてますけど、ぶっちゃけそこまで活躍してないような。あとカバラ数秘術が出てきましたが、石崎先生のマスターナンバーは11で、私も11なので嬉しかったです。

 

 

 

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