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青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【6-1黒魔女さんが通る】03巻を振り返る【感想】

これの続き。

 

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

第1話

あらすじ

5月1日の人間界。チョコは、家に押しかけてきた舞百合メグから、デイキャンプ後、男子たちの様子がおかしいことを伝えられます。真相解明の協力を頼まれ、さっそく大形に事情を尋ねますが、謎のノートを抱えて退散されてしまいます。大形だけでなく、麻倉や東海寺にまで話をはぐらかされるチョコ。しかもなぜかですます調を使われます。

翌日、男子の異変について話し合う女子たち。そこで、七福亭と速水が白ひげのおじいさんと一緒にいるのを見たという証言が飛び出します。さらに火の国の魔宝「ですノート」が何者かに盗まれたという知らせを耳にしたチョコは、あることに思い当たり……。

 

男子たち活躍

第1話はこどもの日をテーマにしてるだけあって、男子たちが活躍するお話でした。

麻倉の家に全員で集まり、謎の会議を行う6-1男子。なんと東海寺や大形まで集まったらしく、女子たちは不審がります。問い詰めても何も教えてくれないうえに、不自然なですます調を使われるチョコ。大形くんは「です、だねぇ」と、普段の口調が失われていないのが面白かったです。ぬいぐるみには魔力を跳ね返す効果があるはずですが、一応ですます調になっているところを見ると、魔界グッズは別みたいですね。それから、エロエースは話し方が変わるだけでなく、チョコをさんづけで呼んでいたのが新鮮でした。

結局、男子たちの秘密の計画は手作りの柏餅を女子にプレゼントすることでした。これは一大爺の提案だったのですが、男子たちがそれにのってわざわざ会議まで開いていたと思うと可愛いです。なんか甘酸っぱさがある。

 

キレッキレのセリフたち

細かいセリフもキレキレだった第1話。チョコの家に押しかけて来た時の百合ちゃんの「お家で、朝からゴシックロリータを着てるし。百合、こわ〜い!」というぶりっ子嫌味や、女子が集まって作戦会議をしているシーンでの、凛音ちゃんに対する舞ちゃんの心底どうでもよさそうな反応など、久々に6-1メンバーの性格悪い部分(注:褒めてます)が描かれて、これこそ『黒魔女さん』だよなぁと思いました。

それから、大円寺に到着したチョコがお堂の扉を開けるシーン。「(扉を開けたら)最初になんていえばいいんだろ」という地の文があるのですが、それがめちゃくちゃ黒魔女さんっぽかったです。お話の流れとはもちろん関係ないし、心理描写というほど心理描写でもない、ただの独り言みたいな文。このぼそぼそ感、本音感みたいのが小学生時代の私の心に刺さったんだよなあ。

 

 

第2話

あらすじ

  第一小に新しい音楽の先生、小森真由先生がやってきます。アイドルのように可愛い先生に男子たちはメロメロ。その様子を見た舞ちゃんたちは、先生には男子をたぶらかす特別な力があるはずだと考え、チョコに真相究明を依頼します。放課後、音楽室を訪れたチョコは、小森先生がやけに古めかしい楽譜を使っているのを発見。さらに、壁に飾られたモーツァルトの肖像画も奇妙な動きをし始めて……

 

後期っぽい容姿のキャラの登場

以前wikiかなにかでも書かれてましたが(もう書き換えられてましたが)、この作品って美人キャラが多いですよね。特に初期の魔界キャラは絶世の美女だらけで、そのことでさらに異界感が増していたような気がします。

ですが、後期になるにつれて可愛さ、美しさにバリエーションが生まれます。すごく華があるわけではないが美しい・可愛い、みたいなキャラが出てくるようになるんですね。今回登場した小森真由先生もとっても後期らしいビジュアルです。

しかも、ふんわりショートボブにつつまれた、お顔のかわいいことといったら!

でも、ハデなお顔じゃないんだよ。すっと通った鼻は高いわけじゃないし、目も、ぱっちりというより、奥二重ですずしげな感じ。つまり、つつしみ深い、かわいさってやつね。『6年1組黒魔女さんが通る‼︎③』p112

相変わらず、だれかモデルがいるのかな? ってくらい丁寧な描写ですね。小森先生は第3話でも登場したし、あとがきにも出てきたからたぶん先生のお気に入りのキャラなんじゃないかなーと思います。

 

速水くん活躍

今回は速水くん活躍回でもありました。小森先生の可愛さにメロメロになる男子たちの中でただ一人冷静を保っていた速水くん。オカルトオタクの彼は、ピアノの音の狂いに先生が気づかないのは、誰かに呪われているからではないかという仮説を立てていたのです。

例によってその対処法は「なぞるだけでずるいくらいに怨霊が祓えるテンプレート」というインチキオカルト本を使う、というものでしたが、実際に先生は魔界の人だったので、彼の直感は当たらずとも遠からずです。というか、速水くんが怨霊退治とかやる時って大体実際に魔界の人が関わってるんですよね。関係なかったのって無印5巻のプール事件ぐらいのものでは?

あと速水くんは絶対音感があって3歳からバイオリンをやっていることが明らかに。上品だなあ。

 

 

第3話

あらすじ

母の日間近の人間界。第一小では、有名な声楽家を招いてオペラ「魔笛」の鑑賞会が行われることになります。図書委員のチョコは、「魔笛」の内容をまとめたパンフレットを作ることに。音楽の小森先生にも手伝ってもらいますが、彼女はなぜか浮かない様子です。

ギュービッドによると「魔笛」によく似た話が魔界昔話の中にもあるのだとか。さらに、真由先生が持っていた奇妙な楽譜のことなども思い出し、彼女が「魔笛」に出てくる「夜の女王」の娘なのではないかと考えるチョコと大形。そして迎えた音楽鑑賞会当日、思いもよらぬことが起こり……。

 

大形くんのぬいぐるみ、今までにないカジュアルさでつけ外しされる

夜の女王の雷の黒魔法により、魔力封印のぬいぐるみが取れた大形くん。夜の女王に向かって呪文を唱え始めますが、あえなく桃花ちゃんに魔力封印のてぶくろをつけられてしまい、もとの「だねぇ」少年に戻ります。なんだか、今までで一番緊張感のないぬいぐるみ外れイベントだったような……。

近頃魔力漏れを起こしていたぬいぐるみ。その対処のために、桃花ちゃんは魔力封印の毛糸で手袋を編んでいました。しかもコウモリの模様入りです。初めての編み物ですが、連日「モリカワ」に通いつめてピーチこと桜田桃香先輩に教わったそうです。健気で可愛い。ところでピーチと黒雷は6年生編に入ってから最新刊(10巻)まで一度も登場していない(このシーンも名前だけ)のですが、元気にやっているのでしょうか。

 

母の日ネタ

 今回は母の日のお話でした。お母さんにギフト券を贈りつつ、「ママ、元気かなぁ」と空を見上げるギュービッドと、「あたしも、お母さんにぜんぜん連絡してません……」としんみりつぶやく桃花。ギュービッドは山奥の村の出身で、弟と妹がいるらしい……ということはすでに明かされていますが、家族が実際に出てきたことはないですね。桃花ちゃんも『魔女学校物語』でお母さんからの手紙が載っていましたが、ご本人登場はありませんでした。ふたりの家族がどんな人なのかもしりたいなぁ。

娘の小森先生が連絡をよこさないのを怒って人間界にやってきた夜の女王。怖そうな見た目に反して、行動の動機がよくいるお母さんでおもしろかったです。

 

 

全体を通して

03巻も前巻に引き続き、人間界を舞台にしたドタバタもの。「ひみつの男子会!?」というサブタイ通り、男子キャラの活躍が目立つ感でした。図書委員としてのチョコの様子を見ることができたのも嬉しかったです。あと表紙が初期っぽくて好き。

 

 

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