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青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【6-1黒魔女さんが通る】『黒魔女さんの呪いの学園』を振り返る【08巻感想】

この続き。

 

krmjsnfan.hatenablog.jp

 第1話

あらすじ

英語の授業が開始する第一小。美人で明るいALTのテリー先生に6−1のみんなは夢中になり、英語熱も高まります。中でもエロエースはすっかりのめり込み、普段の生活でも英語を話すほどです。

一方、一級黒魔女を目指して動物霊交信魔法を練習するチョコ。ある日公園で修行に励んでいると、ベンチに座ってうつろな表情で黒いのら猫を眺めているテリー先生を発見します。実はその黒猫の正体は修行をちゃんと終えていない「ノラ黒魔女」で、テリー先生を囮にエロエースを弟子にしようとしていたのです。彼を救うため、儀式が行われている大円寺へ向かうチョコ! そこで見たものとは……。

 

 英語を頑張る 6-1のみんな

今巻の第1話は英語の授業のお話でした。小学校で必修化されるらしいので、それでこういうお話になったんでしょうか。最新の小学生事情を拾っていくところ、黒魔女さんらしいです。

英語教師のミス・テリーがやってくると、我先にと知っている英語をしゃべりだす6-1。お母さんがイギリス人のマリアちゃんや優等生の舞ちゃんはもちろん、古島真紅くんやメグも流暢な英語を披露したのが意外でした。中学受験組も多いし、教育熱心で裕福な家庭が多い地域なのかもしれないですね。このクラスの中では普通っぽい描かれ方をしているチョコですらお母さんは専業主婦だし、戸建てに住んでるし。東京のどの辺だろう? 23区外であることは明らかですが……。

英語でもそれぞれの個性が変わらないところが面白かったです。なぜかフランス語が混じる要陸君に、お菓子が大好きなことをアピールする里鳴ちゃん。重くんは「ねえちゃん、すごい! メモメモ!」を英語で言ってて笑いました。みんなちゃんと喋ってて偉いです。

 

エロエース大活躍

 テリー先生に夢中のエロエース。彼が誰かにメロメロになる時は必ず黒魔女が絡んでいましたが、今回もそうでした。学習しないな。

普段はエロ男子だけど、実は純情なところがあって、好きな人に振り向いてもらうためにはとてつもないパワーを発揮するエロエース。桃花編が出たぐらいの時に、公式HPで6−1男子を主人公にした短編が出されるかもという話がありましたが、今後書かれるとしたら彼は主人公になりそう。彼みたいな古き良き「バカ男子」系のキャラは少ないからか、毎回書き方に愛を感じるんですよね。

それと印象的だったのが、エロ舞が本格的に推され始めたことです。5年生編5巻ではギュービッドがエロ舞をエクソノーム様と自分に重ねたりしてましたが、石崎先生はこういう美女と野獣的な組み合わせがお好きなんでしょうか。

 

 

第2話

あらすじ

未来予想図をつくる6−1。メグは女子アナになるために、聖ウリエル学園を受験し、ミスコンで優勝するつもりだと話します。

数日後、聖ウリエル学園の学園祭に向かうメグとチョコ。模擬店のボウリングやメイド喫茶を楽しむチョコですが、メイドの一人が披露した占いで、黒魔女修行のことなども当てられたことに違和感を覚えます。実は二人が入ったのは魔界の大学・呪リア学園の学園祭だったのです! メグの命を救うために奔走するチョコですが、そこに意外な人物が現れ……。

 

6-1、それぞれの夢

学校で未来予想図を書かされるチョコたち。6-1は私立に進む子も一定数いるみたいなので、あと少しでみんなバラバラになってしまうのかあ……と思うと切なかったです。そしてクラスメイトが具体的な夢を持ってるのを知って焦るチョコさんが、まさに「思春期の入り口」って感じで最高でした。

みんなの「夢」は、それぞれの個性が出ていておもしろかったです。舞ちゃんは国連で働き、横綱は実家の蕎麦屋をつぎ、葉月星夜くんは新星を発見することが夢だそうな。

キャラブックでも「しょうらいのゆめ」の欄がありましたが、舞ちゃんなど、そこで書かれていたのとは違う夢を持っている子もちょいちょいいますね。 

あと、桃花ちゃんが小さい頃からインストラクター黒魔女になろうと考えていたと言っていましたが、彼女やギュービッドの小さい頃の話も読んでみたいです。

 

メグとチョコ

そして今回は久々のメグチョコ掘り下げ回でもありました。呪リア学園の学園祭で悪魔が描かれたボウリングのピンを全て倒してしまったために、命を奪われそうになるメグ。大学内にある教会で黒い薔薇に囲まれて眠らされています。この舞台設定、非常に黒魔女さんらしくて美しくて素敵です。

メグの未来予想図を見るチョコ。このシーンめっちゃグッときました。勝手にチョコと一緒に聖ウリエル学園に進学する気でいるのがとても彼女らしい。二人は正反対のタイプで、一見、メグがチョコを一方的に振り回しているように見えますけど、お互いにきちんと友情を感じているというのが伝わって来るシーンでした。すっごく性格が合うかといったらそうじゃないし、四六時中一緒にいるわけじゃないけど、なんだかんだ関係が途切れない感じ、まさに腐れ縁っていう感じで好きです。

 

大形京は本当に改心したの?

前巻、学芸会の最中に、京太郎につれていかれたはずの大形が現れ、 しかもぬいぐるみをつけていないにもかかわらず白大形であるという事態が発生しました。

ただ、現在のところ京太郎の正体は何も明らかになっていないし、何よりも10年以上続いてきた問題に主人公がかかわらず、登場したての新キャラによって全て解決されるのは考えづらいです。なので「まさかこれで大形完全改心ってことはないっしょ」と当たり前のように考えていたのですが……

そのまさかが起こりそうなんですけど。

呪リア学園でピンチになったところに大形くんが現れ、助けてくれるんですが、なんと彼は学園祭でアルバイトをしていた。なぜそんなことをしているかといえば、「人のために働くことのたのしさ、人のために役に立つことをするよろこびを知れば、京はきっといい子にもどれる」(p208)と京太郎が考えたからのようです。実際、チョコも「心を入れ替える修行がだいぶ進んでる」という印象を持ちます。

正直びっくりしました。まだそうだと決まったわけではないですが、大形くんまでこんなにあっさりと改心するとは。しかもアルバイトで改心……。暗御留燃阿も「モリカワ」でバイトしてましたが、『黒魔女さん』の世界ではアルバイトをすると綺麗な心を取り戻すことになっているのでしょうか。

しかもチョコもなんで疑問を持たないんだろう。いくら大形くんを信じてるとはいえ、自称・「大形の祖父」の幽霊が現れて孫をどこかに連れて行き、しばらくして別人のようになった大形が戻ってきたら、「どうして?」とか「あのおじいさん何者?」とか感じるのが普通だと思いますが。今まで幽霊はいないと教えられていたのなら余計に。

まだ京太郎の謎とか残されているのでこのまま終わることはないでしょうが、もし大形くんがこれで改心とかだったら私はちょっと嫌だ。改心そのものが嫌なんじゃなくて、改心に至るまでの過程がほとんど描かれないのが嫌。 

 

 原点回帰感のある巻だった

6-1編に入ってから、オリジナルキャラ(舞・百合・メグ・エロエース・横綱・ショウ)が活躍したり 、ギュービッドとチョコの友情をテーマにした作品があったりして、なんとなく初期っぽさを感じていたやったぜ。

それらと比べると今巻は、初期っぽいというか完全に初期のノリでしたね。まず本自体が薄いし。黒魔女さんって巻を追うごとに分厚くなっていくんですよ。無印1巻は217ページだったけど、18巻は299ページもあったりとか。私としては、薄い時の方が文章やお話のテンポがいい気がして好きですね。今巻はあとがきを除くと全226ページです。

お話の内容も、第1話ではエロエース、第2話ではメグという風に、一人の人物を中心にして進んでいくので読みやすかったです。修学旅行以降、ますます面白くなってきている気がします! 次巻も楽しみ!

 

 

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