桃花ちゃんお誕生日おめでとう
昨日4月30日は、ベルティンのサバトの日、つまり桃花ちゃんのお誕生日でした!
それに合わせて何か記事を書こうと考えていたのですが、結局いいものが思いつかず、パソコンの前で悩んでいたら1日が終わってしまいました……。桃花ちゃんごめんね……。
そして散々悩んだ挙句、初登場から最新刊までで印象に残っているシーンをいくつか挙げて語ってみることにしました! 彼女は登場回数が非常に多く、重要度も高いのでなかなか選ぶのが大変だったのですが、以下の場面が特にお気に入りです〜。
桃花ちゃんベストシーン5選
校長室襲撃シーン(『魔女学校物語』1巻 第1話)
「わたしは黒魔法で、火の国の十七歳の少女を、全部調べたのさ。すると、おまえが、バカがつくほどのまじめな子だとわかった。魔力は人なみでも、そのぶん、きっと人一倍努力をする子だろうと思った。だから、入学許可書を送ったんだよ。」『魔女学校物語』1巻p71
お嬢様揃いの王立魔女学校で一人、地方の農家出身&黒魔法にもなじみが薄い桃花ちゃん。劣等感を感じて自信を失っていた彼女に、ルームメイトのマカズキンとティアーが魔力増強ワインの一気飲みを提案します。最初は校則を破ることに抵抗を感じていた桃花ですが、だんだん酔っ払っい、ついには校長室に突撃してしまいます。
「なぜ貴族でもなければ魔力も少ない自分を入学させたのか」と尋ねる桃花に、メリュジーヌは真面目さを買ったのだと答えます。確かに魔力は人並みだけれど、人一倍努力する子だろうと思ったと。そして、「魔力が強ければ、素質があるってわけでもないし、いい黒魔女になれるわけでもない」「大切なのは、自分を知ること。そして、それに見あった努力ができること」と語ります。
このシーン、読んでいて励まされるという点でも素敵なのですが、メリュジーヌの桃花観があきらかになるのも嬉しいです。彼女が最も評価しているのはその真面目さ、正直さ。チョコや大形のような潜在魔力の強さや、ギュービッドのような地頭の良さに比べ、一見目立たない美点ですが、そういうものもきちんと評価するところに教育者としての実力を感じます。
その後も桃花ちゃんを生活監督官に選んだり、彼女が大形のインストラクターに任命された会議に同席したりしているので、メリュジーヌの桃花への信頼度はかなり高いと思われます。これらのシーンで先生がどのように桃花を推したのかも見てみたいです!
ミルフィーユを守るシーン(『魔女学校物語』1巻 第2話)
「わかりました! 受けて立ちます!」『魔女学校物語』1巻p200
本編では妹キャラとして描かれることが多い桃花ちゃんの、先輩としての一面を見ることができるシーンです!
魔女学校二年生になったある日、後輩のミルフィーユが私立ブラックウィッチ学園の生徒に黒死呪文勝負をふっかけるのを目撃した桃花。とっさに止めに入り、かわりに自分が勝負を受けて立つと宣言します。
このシーンの桃花、ミルフィーユの視点から見ると頼れる先輩感がすごいです。校長の孫だということを鼻にかけて、上級生に反抗的な態度ばかりとっていたミルフィーユ。なかでも生活監督官の桃花にはトップクラスに迷惑をかけていました。それなのに、自分が招いたピンチに駆けつけ、危ない目に遭わせないために先に帰らせてくれる……。そりゃ心も入れ替えちゃうよね。魔女学校に戻る時、彼女が最後まで桃花を見つめてるの、ワルになりきれない感じが出ちゃってて好きです。数ヶ月後のエオスターラのサバトでは逆にミルフィーユが桃花を助けるのも成長を感じていい。
ちなみに桃花が後輩たちと一緒に逃げずに勝負を受けてしまった理由は、尊敬するメリュジーヌの悪口を言われたから。こういうところ、実はアツいよなあと思います。
紫吹モモ姿&悪役姿(無印5巻1話)
「あたしは、一番で修行を終えて、黒魔女の女王になる。そして、魔界を支配するのよ。」『黒魔女さんが通る』 5巻 p68
無印5巻で人間界へやってきた桃花ちゃん。最初はメグのいとこのモモちゃんとして登場しました。
チョコのファッション知識のなさに「わっ、最低〜」と引いたり、ラブandベリーで遊びながら初対面の年上をパシる桃花ちゃん、なぜかクソガキっぷりがすごく板についています。
反対に、大形を騙すために「出世のために幼い子供たちを生贄として捧げる」という演技をする姿は若干無理してる感があって可愛いです。上級生にタメ口で話し、「黒魔女の女王になって魔界を支配する」という計画を披露する桃花。学生時代とギャップがありすぎてギュービッドには一発で嘘を見抜かれそうだし、馬鹿正直な性質ゆえか、チョコたちを挑発するような発言をしていてもイマイチ迫力がありません。この演技に騙された大形の、魔界の王への道のりはかなり遠いと言わざるをえないでしょう。
チョコにお弁当を作ろうとして断念するシーン(無印5巻2話)
『ハンバーグとか、ポテトとか、そんなグロいものは、やっぱり作れません。ごはんは炊いたので、五百円で何かおかずを買ってください 桃花・ブロッサム』『黒魔女さんが通る』 5巻 p102
このシーンの桃花ちゃんは気のきく有能な後輩の面と、魔界人特有の傍若無人な面が両方感じられていいです!
5-1とハイキングに行くことになったチョコ。当日繰り広げられるであろうお弁当マウント合戦を想像してウンザリしていると、桃花ちゃんが「だれにもばかにさせない、とびっきりのお弁当」を作ってみせると息巻きます。
聞けば、学生時代の家庭科の成績は学年トップだったとか。彼女の学年には「火の国料理コンテスト・ジュニア部門」で優勝経験のあるビルトもいたはずですが、持ち前の真面目さで追い抜いたのでしょうか。チョコの好物がハンバーグやフライドポテトだと聞いてドン引きしながらも、お料理本を見て作ってみると宣言する姿が素直で好感が持てます。カロリーの心配をしてチョコのお腹を触るのも、距離の詰め方が上手で可愛い。
でも結局、お弁当箱に詰められていたのは白いご飯と500円玉+冒頭の手紙でした。人間界の食材は魔界出身の桃花にはグロすぎたようです。約束をドタキャンしたのに罪悪感を感じてなさそうな感じ、好きです。桃花ちゃんは基本的にいい子ですが、ときどき天然で毒舌だったり失礼な所があるのが面白いです。
インストラクターとして奮闘するシーン(6−1編4巻)
「あなたは責任感が強すぎます。ちゃんとおしえようという気持ちが強すぎると、弟子の心が見えなくなります。」(6−1編4巻p16)
12巻で大形のインストラクターに任命された桃花。慣れない仕事に奮闘しますが、巡回魔法使いのアグリッパに上記の指摘をされてしまいます。
しっかり者で、学生時代は生活監督官としてミルフィーユを更生させたこともある桃花ちゃん。しかし初めての弟子が危険な魔力と邪悪な野望を持つ大形なのはさすがに荷が重すぎます。無印18巻などでも修行シーンが描かれていますが、どうも頭ごなしに叱りつけてばかりで、学生時代のような頼れる感じはまだ出せていないように見えます。
しかしアグリッパの言う通り、それも真面目で責任感の強い性格ゆえ。桃花ちゃんは魔女学校3年生だったところを、王直々に大形の監視係やインストラクターとしてスカウトされたわけですから、見込みは相当あるはず。周りももっとフォローしてあげてほしいです〜。
次巻は大形中心のストーリーになりそうですが、桃花ちゃんの師匠っぷりも見れたら嬉しいなと、ちょっと期待してます!
終わりに
無印4巻のあとがきで登場し、無印5巻1話で大形の監視係として人間界にやってきた桃花ちゃん。彼女が本格的に物語に関わりだしたのは、日常編では麻倉&東海寺などの重要キャラが大体出揃い、魔界編でも大形の正体ばれイベントが終わったあと。つまり結構ストーリーが進んでからでした。そうにもかかわらず、初登場時からチョコ&ギュービッドと並んでも全く違和感がなく、今や作品に欠かすことのできない存在になっています。間違いなく読者キャラの中で最も出世したキャラクターだと思います。外伝もあと1巻は出そうですし、今後の活躍にも期待です!
桃花ちゃんが主人公の『魔女学校物語』シリーズの感想はこちら
krmjsnfan.hatenablog.jpkrmjsnfan.hatenablog.jp