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青い鳥文庫『黒魔女さんが通る‼︎』 をだらだら語る  

【黒魔女さんが通る!!】黒鳥千代子という主人公【15周年おめでとう】

黒魔女さん15周年おめでとう

2020年は『黒魔女さんが通る!!』という作品が誕生してから15年目という、非常におめでたい年です!

そして9月15日は無印1巻が発売された日。つまり『黒魔女さんが通る!!』は今日でちょうど15周年を迎えるわけです。

それを記念して、本作の主人公、黒鳥千代子さんについて語ってみたいと思います。

わたしにとってチョコを語るということは、黒魔女さんという作品全体を語るということとほぼイコールです。なぜなら、彼女が主人公だということこそが、この作品の魅力の根底にあるものだと思うからです。

この記事を通して、チョコさんがいかに素敵で、『黒魔女さん』の主人公にふさわしいかということが伝われば嬉しいです!

 

 

主人公っぽくない主人公

わたしがチョコさんに惹かれるのは、ひとことで言えば主人公属性的なものがほとんどない主人公だからです。

チョコさんは運動も勉強も苦手で、50メートル走は12秒、漢字テストは10点満点中3点以上とったことがない。流行にも疎い。そしてなにより人間が嫌いで、集団生活に馴染みづらい性格です。

主観ですが、特に子どもを対象にしたエンタメ作品では、読者と同年代の主人公は、周りに好かれやすい性格なことが多い気がします。気弱だけどやさしい心の持ち主で、困ってるひとを放っておけないとか、乱暴だけど勇気があって情に厚いとか。要はいろいろ欠点はあっても人間関係をうまく作っていけるタイプです。

しかしチョコさんはそれのほぼ真逆をいっています。オカルトオタクで周囲から浮いており、同級生からは内心いじめたいと思われている*1。本人もくせの強い性格で、1巻の2話ではさらっと「あたし、なにがきらいって『人間』がだいきらいなの」とけっこう衝撃的な発言をしています。学校行事の遠足に対しても「クラスで列をつくってだらだら歩くだけ」とまったく乗り気ではない。みんなに好かれるどころか、和を乱す子としてじわじわ嫌われそうです。

そしてそういうタイプの子は『黒魔女さん』だけではなく、他の石崎作品にもわりとたくさん登場しています。

たとえば、『世界の果ての魔女学校』という作品に登場するアンという人物は、かなりチョコっぽい女の子です。コメディ要素は皆無ですが、魔女学校の外見といい、「世界の果て」の看板等のアイテムといい、作品自体の雰囲気もなんとなく『黒魔女さん』を彷彿とさせます。

アンの名前のつづりはUn。Unhappy(不幸)、Unholy(不浄)など、「不」や「非」をあらわすUnです。名前の通り「なにをさせてもひとを不安にさせるだめな子」で、簡単な仕事すら満足にこなせず、それをカバーするだけの愛嬌もない。そんな彼女を見ていると周りは不安になり、Un(=不)の虜になってしまう……。

わたしは、チョコのキャラクターはこのアンのコミカル版なのではないかと思うことがあります。両者とも親の期待に沿ったり友だちと話のノリをあわせたりできない不器用な子で、うとまれやすい。馬鹿にしてくる周囲を見返すだけの華々しいなにかも持ち合わせていない。チョコが持つという黒曜石の力(=周りを不幸にする力)も、アンの不(Un)の力とダブります。

何が言いたいのかというと、石崎先生はかなりこだわりを持って「人が嫌いで周りから浮いている」という設定の主人公を書いているのではないかということです。「暗くて友達もいなかったチョコ」が「明るくて友達いっぱいのチョコ」に変化するための前振りや助走としてではなく、その「暗いこと」「人が嫌いなこと」自体をテーマにしているのではないでしょうか。

 

 

チョコの成長とは

「暗いこと」「人が嫌いなこと」が主人公の成長の前振りではないということは、シリーズ屈指の名作『黒魔女さんのハロウィーン』を読むとより一層強く感じます。この巻でチョコは確かに成長しているのですが、それは「人が嫌いなチョコからの変化」ということと重なりきらないのです。

このお話で、彼女は無実の罪を着せられた師匠・ギュービッドを助けるべく魔界を奔走します。その結果、見事ギュービッドの無実は証明され、黒幕のレオナール伯爵は罰を与えられます。

この巻のチョコは、ギュービッドを裏切った挙句保身に走るエクソノームに啖呵をきったり、レオナールの罪を暴くために重要な作戦を閃いたりして、読者に彼女らしからぬ主人公力の高さを見せつけてくれます。しかし、その後の巻でも相変わらず一人が好きだと公言しており、基本的な性格は変わっていません。そもそも『ハロウィーン』の中でも、自分の性格をどうこうしようと悩んだり、他の人から指摘を受ける箇所も一切ありません。

だからこの話でチョコが成長したとは言っても、それは「人嫌いなチョコ」からの成長でないことは明らかです。

『ハロウィーン』のなにが感動的だったのかといえば、それはギュービッドとチョコの関係の変化です。以前書いたことの焼き直しになりますが、この巻以前の二人は基本的には守る側のギュービッドと守られる側のチョコという関係でしたしかし親友や初恋の相手に裏切られて満身創痍の師匠の姿を見たことで、今度はチョコが守る側にまわります。

だから、この巻におけるチョコの成長とは、ギュービッドを「いざという時は頼れるかっこいい師匠」から、「自分と同じような弱さのある対等な人物」だと捉えなおし、その相手のために奔走することができるようになったことだと思います。それは必ずしも「人嫌いだったチョコが人を好きになった」とかではないです。すこし重なる部分はありますが、イコールではありません。

わたしはチョコさんの主人公らしからぬところに惹かれていたので、はっきりと成長したという読後感がありながら、それが元々の性質を云々するという話になっていないのが好きだなーと、読むたびに思います。

 

 

終わりに

今はどうだかわかりませんが、わたしがリアル小学生だった2000年台半ばは、チョコさんのように「人に興味がない」と公言する児童書の主人公は結構珍しかった記憶があります。似たようなことを言っていたとしても、学校でいじめられてて……のようにそうなるに至った原因がはっきりある場合がほとんどだった気がします。

わたしは生まれつき覇気のない子どもだったので、「困難に負けずに一生懸命頑張る」とか「明るさだけは誰にも負けない!」みたいなタイプの主人公には勝手に距離を感じてしまって、お話の筋は楽しみつつも、登場人物になりきって読むことができませんでした。

その中で元々の性質として「人がきらい」と言っているチョコさんは、トップクラスに共感できる主人公でした。作品の雰囲気もすこしダークな感じで、チョコのひとり言みたいなぼそぼそした一人称とすごくマッチしており、やったぜ(8)の心にクリティカルヒットでした。

さすがにシリーズ開始から15年も経っているので、私がはじめて読んだ時とは作品の雰囲気も違ってきているかなとは思いますが、やっぱり根底に流れる『黒魔女さん』の精神みたいなものは変わっていないと信じています。これからの展開も楽しみです!

 

 



 

*1:『黒魔女さんのシンデレラ』

【黒魔女さんが通る】『黒魔女修行だってオンライン』感想【ミニミニ短編】

 『黒魔女修行だってオンライン』とは

StoryForYouという企画で発表された『黒魔女さんが通る!!』の短編小説。

2020年8月14日に公開されており、以下のURLから読むことができます!↓

https://tree-novel.com/works/e0f09d12133434272f361fd94a749c2c.html

 

 

あらすじ+感想

ミニミニ短編は本編とは直接のつながりはないようで、コメディタッチのかわいらしいお話でした。「慣れないオンライン授業で大混乱」という最近のあるあるを取り入れているのが黒魔女さんだなぁという感じです。

三密をさけるため、頭ー夢をつかってリモート黒魔女修行をすることになったチョコ。画面の向こうのギュービッド様をまねして、新黒魔法「ミラー呪」を練習します。

「ミラー呪」は幻を見せて相手の魂を抜き取る呪文。名前はふざけていますが、「呪文をかけると幻の道と街が現れる」というのが幻想的&不気味です。「ミラー呪」という言葉自体は6年生編9巻にも登場しましたね。そこでは別物の魔界グッズでしたが。

呪文のかけ方は、ダンスをしながら歌を歌う独特なもの。ほっぺに手を当てたり、ウィンクするといった可愛いダンスみたいです。アイドルかな。魔法の効果とのギャップがいいです。画面の向こうのギュービッドは、チョコが練習しやすいように左右逆に踊ってくれます。このシーン、ぜひイラストで見たかった……。

なかなかうまくいかず、自分のダンスを自撮りモードで撮影することにしたギュービッド様。しかし、自撮りモードで左右逆に踊るということは、画面に映っているのは正しい踊りだということ。自分で自分に「ミラー呪」をかけてしまったギュービッド様は、魔界に迷い込んでしまったのでした……というオチ。

おなじみの修行の一コマを描いたお話ですが、本編前巻の内容が大変シリアスだったので、「もう戻らない平和な日常」を見ている気持ちになります。

また、本編には毎回いろんなキャラが登場するので、ギュービッド+チョコだけのお話は久しぶりで、なんだか新鮮な感じがしました。やっぱりこの二人の掛け合いはいいですね。

それから上にも少し書きましたが、全体的にギャグっぽい明るいノリでありつつも、「ミラー呪」の設定にちょっとダークさがあるのが黒魔女さんらしいなと思いました。

 

 

最後に

特別短編といえば、以前こんなのもありました。

krmjsnfan.hatenablog.jp

web版『黒魔女さんの小説教室』にて、読者と石崎先生が一緒につくりあげ、公式HPの変更に伴って見れなくなってしまった幻の短編です。

特別短編というのは時が経つにつれ知っている人が少なくなってしまうのが悲しいところです。『黒魔女さんの呪いの学園』に「ロリポップ・ココアのお菓子屋さん」が収録されたように、いつかこの二作も本に載るといいなと思います。

 

 

 

 

【黒魔女さんが通る】いろいろまとめ【本編+外伝】

 

メグのファッション一覧

無印

1巻1話

 上半身:スパンコールでかざった巨大なハートつきの真っ赤なTシャツ

 下半身:超ミニの黒いタイトスカート

 アクセサリー・小物:トートバッグ

 プチ情報渋谷のJAM館で見つけた服。ちなみに学校にトートバッグを持っていくのはメグだけ。

1巻2話

 上半身:ピンクのキャミソールに、ビロードみたいな布地の黒いジャケット

 下半身:赤いハートのワッペンが付いているデニムのミニのスカート、ピンクのハイソックスに白いロングブーツ

 プチ情報チョコ曰く、上半身は「ちょっとお姉系」だが、下半身は「やんちゃな女の子って感じ」。

 1巻2話

 全身:エレガントクラシカルロリータ。ハート形にカットされた胸もとにはリボンがついており、スカート部分に天使がプリントされている

 プチ情報メグ曰く、「すそのスカラップのラインが透明感のあるシルエットを生み出している」らしい。おそらく3巻2話で着ているのもこれ。

 2巻1話

 下半身:ディーゼルのジーンズ

 プチ情報2日後のサイクリング時にも似たような服を着ている。

 2巻2話

 下半身:おニューのスニーカー

 プチ情報渋谷のセンター街のお店で購入したもので、限定五足、一万八千円。

 2巻3話

 上半身:ピンクのキャミ

 下半身:プリーツの入ったひらひらデニムスカート 

 3巻1話

 下半身:レースのミニスカート

 プチ情報・メグ曰く、「すこし大人っぽくしようと思って、代官山のリミ・フゥというショップで購入した」もの

 3巻1話

 全身:なんちゃって制服

 下半身:東京タワーの刺繍付きのネイビーブルーのハイソックス

 3巻3話

 全身:着物

 プチ情報ギュービッドの黒魔法で仲居さんのコスプレをしていた。

 4巻

 上半身:ピンクのチューブトップ

 下半身:白いホットパンツ、金ラメのサンダル

 アクセサリー・小物赤いペティキュア

 プチ情報チョコはチューブトップを「腹巻を胸まで引っ張り上げたような服」と表現。

 4巻

 全身:上記のアイテム

 アクセサリー・小物:クリアアクセ

 プチ情報移動教室当日のファッション。ミニスカートではなかったのでエロエースには不評だった。

 4巻

 全身:白いロングドレス、レースの手袋

 プチ情報メグ・シオンディーヌ伯爵令嬢になっていた時の衣装。

 5巻1話

 全身:ブラック&チェリーピンクワンピ. ピンクの二段ティアードのフリル、腰から胸まではピンクの編上げリボンが入っている。

 5巻2話

 上半身:おへその出てるチューブトップ

 下半身:真っ赤なプリーツのミニスカート

 プチ情報チョコ、4巻とちがい「チューブトップ」という言葉を難なく使いこなしている

 5巻3話

 上半身:ウサギの毛皮つきピンクのヒョウ柄キャミソール

 下半身:花柄二段のフリルのミニスカート 

 6巻1話

 上半身:ワンピース

 下半身:チロリアンブーツ

 プチ情報ワンピースは一見するとオフタートルの半袖セーター+ミニスカートのツーピースに見える。ニットだけど白なので暑苦しくない。

 6巻2話

 全身:三段ティアードのプリーツワンピース。ノースリで全身ピンク。

 プチ情報メグ曰く「シフォンのようなやわらかい生地がとってもフェミニン」。

 6巻3話

 全身:TOMYGIRLのスウェットセットアップ

 プチ情報メグ曰く「ZIP使いのポケットが可愛い」,「長めのウエストのリブは、(略)ボディーラインを引き立ててるし、パンツのサイドの2本のラインは美脚効果をアップ」。

 6巻3話

 全身:ベロアGOLDリブセットアップ・全体的に光沢のある黒い生地で、ウエスト部分のみゴールドラメが入っている。

 7巻

 上半身:サイドオープンベアトップ

 下半身:デニムのタイトミニスカート

 プチ情報サイドオープンベアトップは、「わきのスリットからもお肌をちらッと見せるエロかわ系」。

 7巻

 全身:ドット柄のミニワンピ

 プチ情報メグ曰く、「ポイントは、光沢のある素材と、すそとネックラインにあしらったレースとサテンのトリミング」。「バックはV字に開いており、さりげない肌見せがあたしの魅力をひきだす」らしい。

 8巻1話

 全身:ドーリーガール・バイ・アナスイのレオパードワンピース 

 8巻1話

 全身:ソードフィッシュのオフショルニットワンピ。スカート部分は三段フリルで、純白。

 プチ情報テーマは「なんにでもがむしゃらでわがままを貫く小悪魔娘」。

 9巻1話

 アクセサリー・小物:キャスケット 

 9巻2話

 下半身:ティアードフリルつきパイルミニ

 プチ情報メグ曰く「フレアに裏地がないからふわふわ」。

 11巻1話

 上半身:ブレスのロンTワンピ

 下半身:マイクロミニスカート、エミリオプッチのプリントラバーブーツ

 アクセサリー・小物:LOUISONのシルバーのショルダーバッグ

 プチ情報ロンTワンピのポイントは深めのラウンドネックで、フロントのハートのプリントと、ひらっとしたAラインがガーリー。

 11巻3話

 全身:プリンセスドールのバービードットパーティードレス

 アクセサリー・小物:Malibuのヴィーナスカール

 プチ情報メグ曰く、バービードットパーティードレスは「ひらひらゆれるアシメなすそで、パーティでもみんなの視線をくぎづけ」。ヴィーナスカールは「空気をたっぷり含ませたエアリーカールが、思わずさわりたくなっちゃう」。

 13巻2話

 全身:アバクロンビー&フィッチのベアトップミニワンピ 

 14巻1話

 上半身:セリーヌのデザイン・ベスト。

 プチ情報フィービー・フィロの作品。 

 14巻1話

 全身:まっかなうえに、すそがスーパーみじかいワンピ

 下半身:ブーツっていうにはやけに長い黒の長ぐつ 

 14巻1話

 下半身:アンナスピネッロのスカート 

 15巻1話

 全身:ブロンディのドット柄ミニワンピ 

 15巻2話

 全身:ブロンディのシアトル・チェックワンピ

 アクセサリー・小物:ガルシアマルケスのヌメロトートバック

 プチ情報ワンピは「カジュアルキュートなチェック柄がちょっとクラシカル」。しかし背中が全開。「フロントとバックのギャップで、フェミニンさをきわだたせる」。 バッグは「ピンクと白のドット柄の裏地が外に溢れるようなデザインが、カワあたらしい」。

16巻

 上半身:ピンクの姫そでフリルの服 

 17巻1話

 全身:ざっくりニット+サロペット+レースのベスト

 プチ情報「ざっくりニット+サロペットのメンズライクなコーデにレースのベストを重ねて、レディライクなカジュアル感を出した」。

 17巻3話

 全身:ケイト・スペードのブライトン・ロキシー・ドレス

 下半身:クリスチャン・ルブタンのハイヒール

 プチ情報メグ曰く、ドレスは「シンプルなシルエットと、フェイスまわりをきれいに見せてくれる、すっきりしたネックラインが、卒業式にふさわしい上品さ」。

 18巻1話

 全身:エスカーダの花柄ワンピ

 アクセサリー・小物:赤いウィッグ

 プチ情報メグ曰く、ワンピは「お花のボタニカルプリントが、春って感じ」。

8巻2話

 下半身:ジョッパーズパンツ

 プチ情報30代になったメグが着ていた服。めずらしいことに、イラストと本文の描写がかなり違う。イラストではワンピースを着ている。

 19巻1話

 上半身:アリスアンドオリビアのリップス柄のカーディガン 

20巻1話

 全身:バレンシアガのVネックミニワンピ+ケイト・スペードのパールビジューつきカーディガン

 アクセサリー・小物:ミントブルーの小さなバッグ 

 20巻2話

 下半身:トゥルーレリジョンのデニムのショートパンツ  

20巻2話

 全身:派手派手なミニワンピ 

0巻

 上半身:アプワイザー・リッシェのコットンチュニック+ラコステのロングカーデ

 下半身:レッセ・パッセのレースのショートパンツ

 

 6年生編

2巻1話

 全身:アレキサンダー・マックイーンのワンピ

 プチ情報家庭訪問の際に着ていた服。 

3巻1話

 全身:ヴァレンティノのミニワンピ。ピンク地に黒と白のドット柄。胸元に大きなカッティングが入っている。

 プチ情報メグ曰く「レトロなポップガールになっちゃう」服。 

4巻3話

 下半身:ジバンシィのインターシャ・ニーハイソックス。ピンク地に黒で「GIVENCHY」というロゴが入っている。 

 5巻

 上半身:EARTHMAGICのドットリボン付き半そでパーカー

 下半身:BLOCのグラフティウォールギャザースカート

 プチ情報あとがきにて解説。読者が真似しやすいようにJSに人気のブランドをつかったコーデにしてくれた。

 6巻1話

 全身:白と黒のストライプのミニワンピース。スカートをワインレッドのパニエで膨らませている。白と黒のタイツ

 アクセサリー・小物:ウィッグ

 プチ情報町内会の夏祭りにてファッションモンスターのコスプレをしていた時のもの。

 7巻1話

 全身:ヴィクトリアズ・シークレットのビキニの日焼けのあと 

 8巻2話

 上半身:白Tシャツ+ジバンシィのダブルブレストコート

 下半身:デニムのミニスカート、バルバラ・ビュイのバックルつきアンクルブーツ

 プチ情報聖ウリエル学園の文化祭に着ていったもの。清潔感とゴージャス感を両立させた海外セレブ風コーデ。

9巻2話

 全身:黒いローブ+白いケープ

 プチ情報ハロウィーンパレードで死霊のコスプレをしていた時のもの。 

10巻1話

 上半身:ネイビーブルーのフリルのブラウス

 下半身:白のハイウェストのデニム

 プチ情報一般的には下半身に濃い色を使うことで着痩せ効果を期待するが、メグはあえて逆のコーディネートをし、脚長効果を狙った。

12巻1話 

 上半身:ディオールのトレンチコート、セリーヌのジャケット

 下半身:セリーヌのジーンズ

 プチ情報:シンプルなアイテムをオシャレに着こなすパリジェンヌ風スタイル。アイテムは総額50万円ほど。

14巻1話 

 全身:ジル・スチュアートの着物

 プチ情報:メグ曰く「芍薬のお花をあしらったピンクの振袖と、ベージュの袴のコントラストが、大人かわいい。」

17巻1話

 上半身:EVRISのケーブルベストレイヤードニットトップス

 下半身:ボリュームティパードデニムパンツ

 プチ情報:メグ曰く「ボリューム感のあるデニムパンツに、オーバーサイズのトップスを合わせると、こなれ感が出る」

17巻2話

 全身:Bibiyのアニー・ヴェロワ・キャミソールドレス

 プチ情報:メグ曰く「ショート丈のデイジー・フラワー・カーディガンが、ガーリー&ゆるふわで、春らしい」

19巻

 全身:アリス+オリビアのグウェン・ハイネック・フェザー・スカートドレス

 プチ情報:メグ曰く「プリンセスみたいなレーストップと天使の羽根みたいなスカートが清楚&ゴージャス」

 

 

 

 

 

速水のなぞるだけシリーズ&派生本まとめ

無印

5巻2話

 「えんぴつでなぞるだけで描けるシジル! 召喚自由自在の悪魔魔神全六四種」

6巻1話

 「決定版・なぞるだけでできる悪魔の召喚術」

7巻

 「なぞるだけで霊界と通信できる魔導書」

8巻1話

 「なぞるだけで魔法が身につくアルマデル奥義書」

8巻2話

 「なぞるだけでできるノストラダムスの大予言」

 「なぞるだけでできる陰陽道」(速水が東海寺に執筆依頼)

9巻1話

 「サルでもわかるオーラ入門」

9巻2話

 「水をかけるだけで育つ妖精樹」

11巻1話

 「音読するだけ! ドルイド魔術入門」

14巻2話

 「みるみる変わる 魔法の言葉」

14巻3話

 「人生がときめくお片づけ魔法」

15巻2話

 「サルでもできる 悪魔召喚」

17巻1話

 「なぞるだけで霊を××シリーズ」

19巻1話

 「三分でマスター わら人形で呪ってみよう」

 「えんぴつでなぞるだけで描けるシジル!」 

20巻

 「おまじないが育つ魔法の言葉」

 

6年生編

2巻3話

 「なぞるだけでおぼえられるルーン魔術」

3巻2話

 「なぞるだけでするいくらいに怨霊が祓えるテンプレート」

5巻

 「なぞるだけで姫の名前がわかる本」

7巻1話

 「なぞるだけで霊力アップ!」

7巻3話

 「なぞるだけで決められるあみだくじ」

10巻1話

 「鍵盤をなぞるだけで弾ける『旅立ちの日に』」

18巻2話

 「なぞるだけでマスターできる黒魔術」

19巻

 「なぞるだけでわかる! ス魔法の占い方ブック iPhone&Android編」

 

 

舞ちゃん発案の委員会(無印13巻まではキャラブックより記載)

無印

1巻1話

怪奇現象究明委員会 

生徒の心をふみにじる松岡先生を糾弾する委員会

2巻1話

一組のみんなでなかよくなろう委員会(恋バト一巻でも登場)

2巻3話

心霊論争委員会(恋バト一巻でも登場)

6巻3話

クラス対抗リレーで五年一組が恥をかかないようにするためにはなんとかしなくちゃならない委員会

7巻

黒鳥さんを元気づける会

テーマパークでのマナーを考える委員会

8巻2話

東海寺阿修羅の透視疑惑を追及する委員会

9巻1話

なぜ五年一組の集合写真にだけ怪奇現象がつづくか調べよう委員会

9巻2話

星夜くん、いくらねむくても学校ではちゃんとせいや委員会

9巻3話

これから十二月二十四日は毎年クリスマス会をしよう委員会

13巻2話

今年のバレンタインデーはチョコレートのやりとりは禁止しよう委員会

バレンタインデーだけは特別にチョコを持ってきていい委員会

授業中は立ち歩かない委員会

14巻3話

黒魔女委員会

※速水が白銀先輩と作った委員会

15巻1話

一路舞の選挙対策委員会

五年一組ばけものがかり

17巻1話

小島くんに秘密のうちに来年の図書委員会を委員長はべつの人にしよう委員会

19巻1話

あやしげな魔法少女委員会

20巻1話

クラスがえなんかみとめて委員会?

クラスがえを阻止するにはどうしたら委員会?

20巻2話

黒鳥さんに感謝しよう委員会

0巻

五年一組はチャイム着席より5分早く着席しよう委員会

あなたに贈る物語

社会科見学をどうするか委員会

 

六年生編

1巻1話

いくらなんでも小島くんと岩田くんがイケメンだなんてことがあって委員会

3巻1話

六年一組女子会

3巻2話

怪奇現象究明委員会 

6巻1話

肝試し委員会

7巻3話

学芸会でなんの劇をするか考えよう委員会

8巻1話

みんなで英語であいさつができるようにしよう委員会

9巻1話

ことしのハロウィーンは六年一組で仮装パーティをしよう委員会

正しいハロウィーンをひろめよう委員会

10巻1話

黒鳥さんを指揮者にして優勝するぞ委員会(※大形発案)

13巻1話

卒業まであとすこしなのに五年生のころからまったく進歩してないからなんとかしなくちゃいけない委員会

六年一組をなんとか卒業までに進化させなきゃいけない委員会

黒鳥さんの誕生日を祝おう委員会(※大形の分身発案)

15巻

わたしがいないあいだも黒鳥さん筆頭にクラスでまとまろう委員会

卒業生のための小学校生活に一回しかない豪華なお別れ給食会を盛りあげないで委員会?(※五年生発案)

16巻2話

ことしこそチョコを禁止にさせよう委員会

バレンタインにだれがだれにチョコをわたすのかこっそり調べよう委員会(※百合ちゃん発案)

18巻1話

こんな1組のまま卒業式に突入しても委員会

19巻

このまま中学生になっても委員会(20巻も登場)

卒業式、ホントにそれで委員会

もう卒業だねと笑顔でいようよ委員会

卒業式であっても勉強に必要ないものは持ってきちゃだめ委員会

卒業してからも定期的に集まりをひらこう委員会(20巻も登場)

卒業記念にみんなで旅行に行かなくて委員会(20巻も登場)

チョコはだれが好きなのかこっそり調べよう委員会(メグ提案)

20巻

もうすぐ中学生なのにまだ遅刻なんかしてるん会!

 

 

 

【6-1黒魔女さん】大形京問題に暗御留燃阿が関わってほしいなぁ【11卷感想その②】


最新刊↓を読んでの暗御留燃阿オタの感想その②です。

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

暗御留燃阿さん、どんどん蚊帳の外になってない?

満を持して発売された最新刊『黒魔女さんと黒魔術の王』。「黒曜石の黒魔女」&「魔王の王冠」とはなんなのか、大形の亡き祖父・京太郎はなぜ復活したのかなど、『黒魔女さんの修学旅行』以降に張りめぐらされた伏線や謎が一気に解決する巻でした。

さらに、「チョコのそばにいたい」と思った大形が、綺麗な心を取り戻そうと修行していたことも発覚。『黒魔女さんの呪いの学園』などでいい人になっていたのもそのおかげでした。ここ2年ほどで、大形問題がいよいよクライマックスを迎えている感があります。

しかしわたしには気になることが一つあります。それはそもそもこの問題を引き起こした張本人である暗御留燃阿が、改心以降、お話にほとんど関わっていないこと。

もともと悪役だった彼女が仲間になったのが無印13巻(発売は2010年)。それから15巻以上巻を重ね、10年の月日が過ぎました。ですが現在のところ、この問題に参加したと言えるのは『黒魔女さんの夏休み』の第1話ぐらいで、あとはたびたびあったぬいぐるみ外れイベントにも、今回の黒魔術の王との対決にもほぼノータッチです。あまりにも関わらなさすぎて当事者なのにこういう気持ちで大形のことを見てそう↓

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きっと次巻(もしくは次の魔界編)からは大形救済ターンに入るのでしょうが、このまま彼女が何もしないまま、チョコや新キャラの活躍によってなんとなく大形が救われてしまうのはかなり違和感があります。最終的に救い出すのは彼らだとしても、暗御留燃阿も何かしら責任を果たすのではないかと思うのです。

なのでこの記事では、暗御留燃阿が次巻以降どのように大形問題に関わっていくのかを考えてみたいと思います。結構私見や妄想が入ってくるかと思いますので、その辺はご注意ください。

 

  

大形京に残されたテーマ

『黒魔女さんと黒魔術の王』で印象的だったのが、記憶を失うことに対するチョコの否定的な考え方です。

例えば、ギュービッドと桃花が「未完ジュース」で記憶と魔力を奪われそうになった時、地の文で次のように述べています。

たのしかったこと、かなしかったこと、つらかったこと、うれしかったこと、ぜーんぶ消えちゃう。(略)

黒魔法は修行すれば、また取りもどせるかもしれない。

けど、消えた思い出は、二度と取りもどせない。

思い出をうばうってことは、命をうばうのとおなじなんだよ。

『黒魔女さんと黒魔術の王』p165 

ここで気になるのが、消してはいけない思い出の中に「かなしかったこと、つらかったこと」など、ネガティブなものも含まれていることです。つまり、本人がマイナスと捉えているかプラスと捉えているかにかかわらず、思い出を失うことそれ自体が起こってはいけないことだということです。

これを大形問題に当てはめて考えてみます。大形は幼少期に暗御留燃阿によって無理やり黒魔法使いにされたあげく、魔力を封印され、魔界を恨むようになりました。「未完ジュース」を飲めば、チョコや6−1との楽しい思い出も消えてしまいますが、幼少期のトラウマも解消し、ある意味まっさらな状態で人生をやり直すことができるかもしれません。

しかし、引用した言葉からすると、そのような展開はもちろん、「つらい記憶だけ消し、楽しい思い出は残して普通の小学生として暮らす」というオチも否定されているように思えます。となると、もし「未完ジュース」の効果を無効にできたとしても、彼は幼少期の経験を忘れることなく生きていくことになります。

そう考えると、「大形が幼少期の記憶にどう決着をつけるのか」が今後のテーマになっていきそうです。そしてその場合、暗御留燃阿が全く登場しないというのはほぼ考えられません。

 

 

大形と暗御留燃阿の過去が掘り下げられてほしい

期待しているのは、二人の関係がもっと掘り下げられること、暗御留燃阿の大形に対しての気持ちが明らかになることです。これまでも無印4巻などで二人の因縁は書かれてきましたが、それらは全て大形目線だったので、今度は彼女の視点での振り返りがあると嬉しいです。

「幼少期の記憶に決着をつける」とは、つまりは暗御留燃阿との因縁の解消のことだと思います。それが彼女を許すということになるのか、それとも別の形になるのかはわかりませんが、どちらにせよ暗御留燃阿側の気持ちがわからないと、いち読者(&暗御留燃阿オタ)としてはスッキリしません。なので掘り下げに期待しています。

ここからはオタクゆえの自分勝手な解釈ですが、師弟時代、暗御留燃阿は大形にギュービッドの面影を重ねていたと思ってます。

いくら努力しても天才型のギュービッドだけにはかなわないと感じていた暗御留燃阿。大形を弟子にしたのは、おそらく王立魔女学校を卒業して間もない頃。ギュービッドに成績トップの座を奪われそうになったという体験が、まだ彼女の中で色濃く残っていたであろう頃です。誰に教わったわけでもなく黒魔法を使いこなす大形は、きっとギュービッドを彷彿とさせる存在だったはず。そんな「才能」の持ち主が目の前にいるという状況に、出世の鬼として興奮すると同時に、天才の桁違いな魔力を3年間見てきた身としては恐怖を感じたのではないかと思います。

その後師弟関係が決定的に悪化し、師匠への恨みをつのらせながらみるみるうちに能力を開花させていった大形。その様子をみて本格的に怖くなった暗御留燃阿は弟子の元を去ります。「怖くなった」というのが特徴的で、ロベなどの他の悪役のように、「言うことを聞かない弟子に腹を立てた」わけではないのです。もっとも遺恨を残すことになった「魔力封印」という行為にすら才能への恐れを感じられるのがポイントです。

つまり出世の駒として利用しようという俗な欲の裏にあったのは、個人的な才能コンプレックスに基づく恐怖と、それゆえ天才に惹かれる気持ちだということです。大形京という個人ではなく、「ギュービッドを思い出させる天才」として弟子を見ていたわけです。

その後改心をへて、チョコによれば「ほんとうにやさしい黒魔女さん」になったらしい暗御留燃阿。実際、才能にこだわるきっかけになったギュービッドとも普通に接しており、コンプレックスを克服した感すらあります。

となると、現在ようやく「ギュービッドを思い出させる天才」ではなく、素の大形自身と向き合える状況になったのかもしれません。

きっとここからチョコたちは、大形に記憶を取り戻させるための行動をとるのでしょう。それは簡単なことではないはずです。たとえそれ用の魔界グッズなりなんなりが出てきたとしても、幼少期の辛い記憶を思い出すのを大形自身が拒否するかもしれません。そこで暗御留燃阿が何かする……という展開が、とりあえず私が望んでいるものです。

その過程で、コンプレックスを克服した理由(改心の理由)も明らかになってくれたら嬉しいです!

 

 

まとめ

長らく大形問題に関わってこなかった暗御留燃阿ですが、ここ最近はこの問題が本格的に終結に向かっているであろうこともあって、なんとなく関わりそうな雰囲気を出しているような気がしています。 やっぱりこの件の重要キャラであることは間違いないと思うので、絶対に登場してなにかしら爪痕を残してほしいです。

とにかく次巻がたのしみです!

 

 

 

 

次の巻の感想はこちら

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

【6-1黒魔女さん】怒涛の伏線回収巻『黒魔女さんと黒魔術の王』【11巻感想】

この記事の続き

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

あらすじ

チョコが「周りに不幸をもたらす」黒曜石の力を持っており、大形がその力を引き出す「魔王の王冠」を持っていることが発覚した前巻。彼らは魔界警察に追われ、桃花・ギュービッドともに魔界へ逃げることになります。メリュジーヌから黒魔法教団・魔ンドレーエが大形を狙っているという話を聞いたチョコたちは、教団に立ち向かうべく奮闘しますが……。

 

 

回収された・されなかった伏線

回収された謎・伏線

①京太郎復活の理由

→大形が自らの改心のために、死者を蘇らせる魔術・死者誤入を復活させたから。

②大形の改心の背景

→一部判明。綺麗な心を取り戻してチョコの元へ戻るために、元黒魔法使いの祖父を頼ろうと考えた。

③「魔王の王冠」とはなにか

→とても強い魔力のこと。「暗黒の騎士」と「黒曜石の黒魔女」が「黒魔術の血痕」をすると発生する。

 

 回収されなかった謎・伏線

①京太郎は何者なのか

→元魔法使いということ以外不明。

②東海寺迦楼羅など、京太郎以外の死者復活の理由

→不明。(死者誤入のためとも考えられるが、迦楼羅は毎年麻倉家の別荘を訪れているという記述が『黒魔女さんの夏休み』にあり、死者誤入が復活した時期と矛盾する)

③『黒魔女さんの夏休み』にて、真言で京太郎がよみがえったように見えた理由。

→不明。

④チョコが「黒曜石の黒魔女」なのはなぜか

→不明。

 

 

感想

大形京、ガチのマジで改心していた

今巻、ついに『黒魔女さんの夏休み』で京太郎が復活した謎、そして『黒魔女さんの呪いの学園』で大形がいい人になっていた謎が発覚します!

7年前に死亡した大形の祖父・京太郎。彼を蘇らせたのは、なんと孫である大形京でした。綺麗な心を取り戻してチョコの元へ戻りたい彼は、元黒魔法使いの祖父を頼ろうと考えたのです。そのために、死者を蘇らせる黒魔法「死者誤入」の復活を目論んでいた黒魔法教団・魔ンドレーエに近づき、みごと「死者誤入」に成功。京太郎とともにうらみを消す修行をしていたというわけです。

11巻展開予想記事に反し、何の含みもなくいい人になっていた大形くん。改心シーンが描かれなかったのは正直びっくりしたのですが、心を入れ替えた理由は納得できるものでした。

うらみにとらわれ、何度も魔界支配を試みてきた大形。そんな自分を、チョコは幾度も助けようとしてくれました。いつしか彼の心の中に、綺麗な心を取り戻してチョコと一緒にいたいという気持ちが芽生えます。

暗御留燃阿を許したからとかではなく、「チョコと一緒にいたい」という思いでつらい修行をのりこえたのがとても彼らしいと思いました。魔界の王を目指していた人物にしては改心に向かう動機が幼い気がするのですが、そのことが逆に、精神は幼児のままなのに強大な魔力のせいで危険人物扱いされてきたことに対する悲しみなどを感じさせてよかったです。

「魔王の王冠」を黒魔術の王に渡して魔界を混乱におとしいれるか、拒否してギュービッドと桃花を見殺しにするか、究極の選択を迫られたチョコ。そんな彼女に、大形は「自分のよさはなんなのか、いまの自分の強いところはなんなのか、考えて」と声をかけます。これまでチョコにかなわなかった理由を、「(チョコは)自分の思いに、すなおに行動したから」「その正直さにぼくは負けたんだと思う」と振り返る大形。『黒魔女さんのホワイトデー』の「なぜ格下のチョコに負けるのかわからない」という自らの発言に対するアンサー的なセリフです。

意を決して魔法石の呪文を唱えるチョコ。突風がふき、黒魔術の王が「魔王の王冠」を奪い取るために用意していた「未完ジュース」が逆に彼自身の口に入ってしまいます。魔力を抜き取られて消滅する王。さすがチョコさん、覚悟を決めると強いです。

しかし「未完ジュース」は、拘束魔法をかけられて弱っていた大形の口にも入ってしまいました。魔力と記憶を奪われ、うすれゆく意識の中で、「……ぼくたちは、いつだって鏡のようにわかりあえてきただろ?」「だから、魔力がなくなっても」「ぼくたちは、ずっと……」「つながってるんだよ」と言い残す大形。みんなを救うために唱えた呪文なのに、かえって取り返しのつかない事態を引き起こしてしまい、パニックに陥ったチョコはギュービッドに助けを求めます。

さすが石崎先生、最高の引きです。やっぱ黒魔女さんって本来こういうお話ですよねぇ。良かれと思ってした行為が自分の一番大切な人を傷つけてしまうとか、最高にツボです。しかもチョコが魔法石の呪文を唱えたのは大形くんの励ましの結果ですから、本当に芸がこまかいです。「鏡のようにわかりあえてきた」というセリフもいいなあ。

次巻は日常編っぽいですが、大形の救済はまた次の魔界編になるのでしょうか。私としてはそろそろ暗御留燃阿が自分の責任を果たさなくてはいけないのではと思ってるんですが、出てくるんですかね。楽しみです。

 

魔王の王冠と黒曜石の黒魔女

大きな謎の一つだった「魔王の王冠」についてもその正体が判明しました!

前巻、大形のポケットの中から出てきた伝説の「魔王の王冠」。しかし結論から言えばそれは偽物。大形をはめるために魔ンドレーエが用意したものでした。本物の「魔王の王冠」とは、魔界の支配すらできるような非常に強大な魔力のことです。

もともと古代黒魔術を研究する平和的な同好会だった魔ンドレーエ。しかし数年前、「黒魔術の王」を名乗る人物が会長になってからは、死者を蘇らせる黒魔法「死者誤入」を復活させて魔界を支配しようと考えだしたそうです。教団の元ネタは薔薇十字団でしょうか。黒魔女さんらしいですねぇ。黒魔術の王のキャラデザも好きです。悪役なのに純白のコートを着ているのがいいです。この作品の悪役らしいかっこよさ。

「死者誤入」について書かれた書物「黒魔術の血痕」によれば、「暗黒の騎士」と呼ばれる死霊魔術をきわめる者と、「黒曜石の黒魔女」と呼ばれる者が、お互いに血痕指輪をはめて「黒魔術の血痕」をするとき、「魔王の王冠」がうまれるのだとか。黒魔術の王は、「黒曜石の黒魔女」とはチョコのことであり、「暗黒の騎士」は最強の死霊魔術・死者誤入を成功させた大形だと推測します。

 魔王の王冠が宝石ですらないというのは盲点でした。「だれひとり本物をみたことがないからこそ、ニセモノの画像でだまして売りつけることができる」というカラクリも、妙にダークなリアルさがあって黒魔女さん感ビシビシで嬉しかったです。そして石崎先生は「騎士」がお好きなのかな? 『黒魔女の騎士ギューバッド』シリーズなんてタイトルに「騎士」がついているし、強いこだわりを感じます。

気になるのは、チョコが「黒曜石の黒魔女」であることに関して特に説明がない点、そして『黒魔女さんの夏休み』であれほど意味ありげに登場した京太郎が、それ以降全く出てこず、元黒魔法使いであること以外に詳細が明らかになっていない点です。今後掘り下げがあれば嬉しいなと思います!

 

 

まとめ

めっちゃ面白かったです!

『黒魔女さんの修学旅行』以降登場した謎が一気に回収される怒涛の伏線回収巻でした。 次巻は日常巻なので大形のことは一旦お預けになるのかもしれませんが、この問題は絶対に面白く着地してくれると確信を持てる巻でした。石崎先生ありがとうございます! 次巻も楽しみです!

 

 

 

感想記事その2

krmjsnfan.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【6-1黒魔女さん】『黒魔女さんと黒魔術の王』展開予想【ためし読みに寄せて】

黒魔女ファンの皆さんこんにちは。

『黒魔女さんが通る!!』シリーズ最新刊、『黒魔女さんと黒魔術の王』の発売まであと2日を切り、緊張でげろがでそうなやったぜです。

さて、本日6月8日、青い鳥文庫公式ホームページにて、最新刊の「ためし読み」が公開されました! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

aoitori.kodansha.co.jp

なのでそれを読んでの感想・展開予想・疑問などを書き残しておきたいと思います!

 

 

感想・展開予想・疑問

新刊のもくじは以下の通り。

  1. 黒魔女さんの大脱走
  2. なぞ解きはダジャレのあとで
  3. なぜに、あなたたちがここに!?
  4. キューピットの矢は2種類ある……
  5. 『チョコ』はフランス語で『ショコラ』
  6. 呪ってうれしい、魔ないちもんめ
  7. 黒魔女さんのすべらない話
  8. 自分のよさには、自分では気づかないものdeath
  9. なぞ解きはひとり墓っ地で
  10. 暗黒の騎士と黒曜石の黒魔女
  11. 黒魔術の血痕
  12. 未完ジュース 
プロローグ(「ためし読み」で読むことができます)

今までの大形問題の振り返り。やはり今巻は彼中心に進んでいくのでしょう。

気になるのが、このプロローグが三人称で書かれていること、そして京太郎とともに姿を消した大形が、「うそのようにやさしい人」になったという記述です。

大形にスポットを当てたプロローグといえば6-1編の6巻。ですがそれは一人称で書かれており、魔界&暗御留燃阿へのうらみ、チョコと6−1への執着など、彼の偽らざる気持ちがストレートに伝わってくるものでした。

しかし今回はあくまでも3人称なので、大形の本心はわかりません。「やさしい人」になったらしいですが、前巻、その様子を見たギュービッドの「たしかに大形はいい子になった。(略)だけど、なーんか信用できないんだよな」という発言もありました。以前のような邪悪な意思はないにしても、なにか隠していることがありそうです。

というかあるでしょうね。さすがに大形の改心イベントにチョコたちが立合わず、事後報告で終わるのは物語の展開的にありえないでしょうから。

 

1.黒魔女さんの大脱走(冒頭2ページを「ためし読み」で読むことができます)

大形とともに魔界警察から逃げるチョコ。

「ためし読み」の最後に登場した「金色の髪、ピンク色の瞳、ピンクの魔女服」の人物は桃花で間違いなさそうです。おそらく3人+ギュービッドで警察から逃れて魔界に向かうのでしょう。

気になるのは桃花の拘束魔法が大形に効いていること。なんの意味もない可能性もありますが、これまでの彼の強キャラ描写からするとなんらかの事情があるのかも……?

 

2.なぞ解きはダジャレのあとで

このサブタイということは、この時点でギュービッドがチョコたちに合流しているはず。

 

3 .なぜに、あなたたちがここに!?

「あなたたち」は表紙に出てきた6-1メンバーのことかと。キャラ紹介のページを読むに、『黒魔女さんの修学旅行』と同じような扱いになりそうです。

 

4.キューピットの矢は2種類ある……

「キューピットの矢」についてググったところ、以下のような記述を発見しました。

クピドは有翼の愛の神で、彼の持つ黄金の矢はそれに射られた者の心に激しい恋情を植えつけるという話はあまりにも有名である。しかし逆に鉛を先につけた矢で射られた者は恋する心を失うのである。

http://la-piazza.com/piazza5/cupido/index.html

前巻大形に恋心を抱いていたチョコですが、「9.なぞ解きはひとり墓っ地で」などからするとここで一旦恋心を失うのかもしれません。

 

5.『チョコ』はフランス語で『ショコラ』

『黒魔女さんと黒魔術の王』に採用の読者アイディアに「ショコラ姫」というものがあったので、チョコが魔界の誰かと結婚しそうになるのかも。

 

6 .呪ってうれしい、魔ないちもんめ、7.黒魔女さんのすべらない話

すみません、ギャグターンであろうこと以外わかりません。

 

8.自分のよさには、自分では気づかないものdeath

6巻で登場した「好感メモ蝶」が活躍しそう。京太郎に半分渡しているし。離れ離れになったチョコと大形がこのグッズを使って再び心を通わせるのかなと思います。京太郎と大形の修行の掘り下げなどはこの章でおこなわれそう。

 

9.なぞ解きはひとり墓っ地で

2章「なぞ解きはダジャレのあとで」と似ているので、「なぞ解きはダジャレのあとで」で浮上した問題を解決するための章かと思います。

 

10.暗黒の騎士と黒曜石の黒魔女

フェチズムを感じるいいサブタイ。前巻出てきた魔法石と魔王の王冠の謎がいよいよ明らかになる? 「黒曜石の黒魔女」はチョコで間違いないでしょうが、「暗黒の騎士」が気になります。大形は王子・王要素はあるけど「騎士」という感じではないしなぁ……。

 

11.黒魔術の血痕

フェチズムを感じるいいサブタイ②。大形とチョコが黒魔法を使える血筋(血痕)であることと、この巻で重要なテーマになりそうな「恋」(結婚)のダブルミーニングかもしれないです。読者採用アイディアの「血痕指輪」も活躍しそう。

 

12.未完ジュース

わからん。大形が黒魔法使いではなく人間として生きることを選び、子ども(「未完」成な状態)としての生活を始めるとか?

 

 

まとめ

おそらく大形問題に大体の決着がつくであろう次巻。石崎先生がこの問題を綺麗に締めてくれそうなことに関して感謝しかないです。プロローグには暗御留燃阿(推し)の名前も出てきましたが、彼女(もちろん登場しますよね?)がどう関わってくるのかも非常に楽しみです!